グレートウォール(2017年、米中合作)

新宿TOHOでIMAX3Dの試写を観ました。ややネタバレ。香港や大陸で何本か中国産3D映画を観てきましたが、さすがハリウッド、間違いなく大陸比でピカイチのVFXと3D。これは絶対IMAX3Dで観た方がいい。

graetwall-01

2016年、中国のスクリーン数が米国を抜いて世界トップになったことが報道されました。世界映画市場としても第2位の立場にあり、彼等はどんどん資金を出しハリウッドと合作映画を制作。

昨年はSTXエンターテイメントが8月に中国テンセントと香港PCCWの出資を受けたことを発表。その先駆けとなったのが大連万達グループの米レジェンダリー・ピクチャーズ買収。そのレジェンダリー・ピクチャーズが、中国でハリウッド大作を作りました。主演はマット・デイモン、監督はチャン・イーモウ(張芸謀)。

監督とほとんどのキャストは大陸からですが、脚本カメラ美術衣裳音声などそれぞれの現場トップはハリウッドの映画人で固めております。

物語は、西から爆薬を捜しに来た、顔の識別不能な髭モジャ白人数人が中国大陸で山賊に追われるシーンから始まります。誰が誰だか分らないし、このノリがもっと続くならきついなぁと心配したのもつかの間、謎の怪物に襲われてから展開がぐんぐんスピードアップ。これイケる!と内心大喜び。

そのうえ、あの万里の長城に隠された意味が明らかになり、無数の怪物に応戦する禁軍との戦闘がスペクタクルでね。ここは見どころ。いちいち武器や戦い方が素敵。よもや立体機動装置とか言わないように!おまけに伝令を報せる太鼓はダブルヌンチャクで叩いてるぞ。いや、これはお金払う価値があるかも。

greatwall-04

が、アクションがひと段落した中盤のドラマから少々失速気味。このあたりのタルさが中国映画っぽい。しかも後を継ぐ将軍が、あの体幹の弱そうな細っこいお嬢さんとは。とほほ。

砂漠を超え爆薬を手に入れてヒトヤマ当てようと目論む傭兵ゆえか、人を信じないやさぐれマット・デイモンが、彼等の大義にほだされて(強引な展開)自ら武器を手に共に戦い怪獣退治。ここからまた盛り返す。いいぞ派手にもっとやれ。怪獣なかなか可愛い奴だったし、これは絶対2Dでなく3DIMAXで観ることをお勧め。なんといっても104分というコンパクトさがいかしてる。チャン・イーモウは大作も多いので、結構ランタイムが長いというイメージがあったのですが、実は2時間越えはそれほど多くないという事実に調べてみて驚きました。

↓マットの弓がめっちゃカッコイイ
greatwall-03

残念だったのは、アンディ・ラウが文官だったことと(麗しい甲冑姿が見たかった)、監督チャン・イーモウの存在がまったく透けて見えなかったこと。まぁ監督としては、ここらで一発大作を当てておかないと『妻への家路』みたいな地味な秀作が撮れなくなってしまうので仕方ないのでしょうか。

大陸では11億元超えのヒットとなりましたが、それでも狙った半分以下の興収だったそうです。正直私ももっとぶっちぎるのかと思っていました。なんでやと中国映画サイトを覗いてみると「チャン・イーモウは終わった」という意見やキャスティングをはじめオールスター中国キャストを活かしきれなかったことへの苦情が並んでおりました。えー君ら、ワイスピとかトランスフォーマーとか、パシフィックリムとか大好きじゃんかー、なんでチャン・イーモウで長城を舞台にしたらそんなしょっぱい意見になるんだよ!うーん厳しいな中国人。

greatwall-02

私としてはジン・ティエン(景甜)ちゃんの役をまるっとチャン・ハンユー(張涵予)に統合して、マット・ディモンとの友情を花咲かせてくれれば、絶賛だったのに!実に惜しい。この2人絶対に似合ったはず。

greatwall-06
↑どや。
チャン・ハンユー大好き。彼はチアン・ウェン(姜文)と並ぶ中国セクシーヴォイス俳優のツートップ。その素敵な声だけを聞くなら『孫文の義士団』がお薦め。最後まで顔を見せず声だけで引っ張る孫文を特殊メイクをして演じております。あとはフォン・シャオガン(馮小剛)監督『戦場のレクイエム』とかツイ・ハークの『タイガー・マウンテン 雪原の死闘』もワイルドセクシーでいいぞ~。

そういえば来年2018年公開される『君よ憤怒の河を渉れ』のリメイク『追捕 MANHUNT』(ジョン・ウー監督で日本ロケ撮影)では高倉健さんの役をやっております。実はこの撮影時に監督の広東語通訳としてついたソフィさんこと上川智子さんと昨年ご飯を食べながら、チャン・ハンユーの話などをしたのでした。うふ。「彼、元声優でね、骨董品が趣味なんだって」と彼女に言ったら「そんなネタどこで仕入れてくるの?」と驚いておられました。えへ。

グレートウォールは2017年4月14日、日本全国一斉公開。

グレートウォール公式サイト
日本予告編
アメリカ予告編
中国版キャラ、武器紹介(かなりネタバレ)

カテゴリー: film | タグ: , , , , , , , , , , | コメントする

イップ・マン 継承 日本オリジナルポスターと予告 – ドニー・イェン甄子丹

その拳が伝えるのは、愛

ipman3-01

このたび『イップ・マン3』こと『イップ・マン 継承』の日本オリジナル予告とポスターが発表になりました。

その拳が伝えるのは、愛

いいコピーじゃありませんか!!!ご覧になった方なら「それな!」と今頃激しく頷いているに違いありません。

すでに前売り券も発売中。劇場とインターネットでも購入可。先着順で葉師父のポストカード3枚が付きますよ、うふふ、もう買ったもんね~。公開は4月22日より。

日本オリジナル予告はこちらから
日本公式サイト

パンフレットも作るそうです、谷垣健治さん、江戸木純さんなどが執筆されるなか、恥ずかしながら私も寄稿いたします。字数制限はちゃんとあるので、いつもより読みやすいはず(キッパリ)。

思えば、『スペシャルID 特殊身分』『モンキー・マジック 孫悟空誕生』『カンフー・ジャングル』に続いてドニーさんの事をパンフに書かせていただくのは4度目になるわけです。ドニーさん以外でも香港中国合作映画で何本かのパンフに書く機会がありました。有難いことであります。

関連記事
葉問3 イップ・マン3 イップ・マン 継承(ネタバレなし)@HK
葉問3 イップ・マン3(ネタバレ:1)@HK
葉問3 イップ・マン3(ネタバレ:2)@HK
葉問3 イップ・マン3(ネタバレ:3)@HK
葉問3 イップ・マン3(ネタバレなし2)周辺よもやま話
葉問3 イップ・マン3(ネタバレ:4)@HK
ついでに、「昂坪(NGONG PING)360」に乗って葉問體驗館にも行ってみた

カテゴリー: film, 功夫映画, 甄子丹 | タグ: , , , , , , , , , , , | 6件のコメント

『トリプルX:再起動』その2:ドニーさん小ネタ – ドニー・イェン

すっごく目立たないことだけど、変更された中国役名のことと「最★強」タトゥーの話。

XXX-10
↑とってもあからさまな大陸ポスター(笑)

さっき大陸サイトを眺めていたら、『トリプルX:再起動』のドニーさんの役名であるXiang(ピンイン:Xiàng)が、当初発表されていた中国語名「翔(xiang②)」から「項(xiang④)」にシレっと変更されておりました。うっしゃあああああああ、よかったあああああああ!!!!!

ええーと、差し替わった今だから言えますが・・・最初発表された中国名の翔という一字は、実は中国大陸のスラング(おそらく大陸のみでしか通用しないスラング)で、なんと「ウ○コ」という意味があるのでございます(汗)。

脚本を書いたF・スコット・フレイジャーが当然そんなことは知る由もない、単なる偶然だったに違いありません。そして香港人で広東語ネイティブのドニーさんも、そんなスラングなど、よもやご存知なかったことでしょう。

偶然、それを知ってしまったこの事実をどうしたらいいのか、なんとか阻止できないものかと思ってワタクシ、思い切って昨年のトリプルX撮影中にズーズーしくも谷垣健治さんにその旨をご連絡してみたですよ。

すると谷垣さんも絶句して「・・・さすがに、それは言えない」とのご返事。ですよね、正直すまんかった。

悪気はない偶然にせよ、そのまま公開されると、今度は悪気のある大陸人が何を面白おかしく騒ぎ出すか分らないので、内心かなーりヤキモキしておりました。

が、2月10日の大陸公開を控え明日北京プレミアを迎えるにあたり、英名のアルファベットXiangをそのままに、まるで翔という役名などあったかしら?てな具合に中国側で「項」という字に新たに変更していることを映画サイトで本日確認いたしました。よかったよおおおお。ウ○コ回避したぞ!

そしてもうひとつはタトゥーネタ。
xxx-11
この写真にもあるように、左の腕にタトゥーとして堂々書かれた「最★強」の文字。

正直これをひと目見た時は「うわ、だっさ!」「せめてもっと達筆にしやがれアメリカ人!」と思ったのですが、本当はこれ、監督は「宇宙★最強」としたかったそうです(汗)。が、さすがにドニーさんが「それはやめとこうよ」と提案し最強だけになりました(そ、そっちはええのんか?)。

本作の登場人物はみんなそれぞれタトゥーをしておりますが、すべて『スーサイド・スクワッド』も手掛けたカナダトロントのタトゥー・アーティスト、ロブ・クーツの手によるもの。

そーしーてー、あの最強文字はクーツの発案により実際にドニーさんが直筆で書いたもの(!)をタトゥーにしたそうなんですのよ、奥様。

そう、「もっと達筆にしやがれ」と毒づいたあれはドニーさんの字だったのでございます、アイヤー!

そんな「最★強」ドニーさんの出演する『トリプルX:再起動』は2017年2月24日日本公開。前売りはムビチケで絶賛発売中。

ネタバレなしレビュー/トリプルX:再起動(2017年・米中合作)- ドニー・イェン

XXX-08

カテゴリー: film, 功夫映画, 甄子丹 | タグ: , , | 4件のコメント

コール・オブ・ヒーローズ 武勇伝(原題・危城、2016年香港・中国)

民国時代が舞台の見事な武侠映画。物語のネタバレはないけどアクションシーンのネタバレ満載です。ご注意を。

kijyou-02

いまさらですが、せっかく日本公開するので残しておきます。
昨年香港での最終日に観ました。午後の回で客は2人、なのにその人が前から3列目というなかなか思い切った席取り、私は7列目でした。どうせなら貸し切りしたかったぜ。

ラウ・チンワン(劉青雲)とエディ・ポン(彭于晏)、そしてウー・ジン(吳京)、ルイス・クー(古天楽)のファンは絶対に観た方がいい。らうちんがとにかくカッコイイ。エディはいつものさわやかをちっぴり減らした感じでしょうか(それでも充分さわやか)。ルイスは『ドラゴン×マッハ!』より、もっと鬼畜な悪役(どんだけ)。似合うなぁ~。

監督はベニー・チャン(陳木勝)、当然のことながら最終的には爆発しまくってますのでご安心を。
kijyou-01

時は民国元年。軍閥割拠内戦状態の中国大陸。
町はずれの飯屋で一杯の麺をたくさんの子供達が分け合って食べようとするさなか、強盗が登場。そいつらを簡単にやっつけてみせたのは、鍾馗様のような髭を蓄えたエディ・ポン。軽やかにユーモラスに小悪党をやっつけちゃいます。

アクション監督はサモ・ハン。ワイヤーを使い吹っ飛ぶ男や、子供達が見ながら笑ってしまうような軽妙な動きが、物語の導入としてとても楽しいし、いかにもサモハンという演出。

サモハンは私のお気に入りのアクション監督ですが、この人のアクションは、ありえなさそうな動きでさえ一度見ただけでちゃんと何をやってるか理解させるところが凄い。

特にいつも感心するのが、間に挟まるクローズアップや決めのルーズショットが自然な事。アクション監督によってはそこが取ってつけたように浮いてしまうこともままあるなか、サモハンはそういうことがない。秘訣は一体なんなのでしょうね。ロングショット、ピックアップ、吹っ飛ぶ人間の軌道、リズムを感じるカメラワークと編集がとにかく気持ちいい。大好き。

この辺りはさすが京劇出身者、という気がします。京劇のリズムはとにかく緩急がはっきりしていて、要所要所で必ずタメがある。香港アクション映画の源流が京劇にあることは明らかですが、ここがハリウッドのアクションとも他のアジアアクションとも決定的に違うところですよね。

このファーストシーン。舞台設定、古銭の扱いといい、否応なしにキン・フー(胡金銓)監督、チェン・ペイペイ(鄭佩佩)主演の武侠映画の大傑作『酔大侠』を思い出させてくれます。
kijyou-07
エディ・ポンは助けた子供達や引率の美しい女性教師から「大侠(日本の時代劇に例えれば、助けてくれた薄汚い浪人にむかってお侍さまと呼びかけるような響き)」と言われても、涼しい顔のまま目隠しをして馬に自らの行く先を決めさせるような風来坊。音楽もどことなくウェスタン調。

民国期を舞台にしつつ、冒頭だけでこれが武侠映画なのだと観客に伝えている。多分、武侠映画としてギリギリの時代背景。近代だから剣客が空を舞うほどのファンタジーはありませんが、サモハンはアクションでさらりと観客に「これはアクション映画とも功夫映画とも違う武侠映画ですよ」と知らせているわけですね。だから「ありえない動きがあったり、ワイヤーがふんだんに使われていても文句は言いなさんな、文句を言う奴は武侠を知らないという事ですよ」と。

そしてもうひとりのヒーロー、ラウ・チンワンが持つのは鞭、むち、ムチ!!
ひゃ~監督ありがとう!かっこいいい!

kijyou-03

その、らうちんの鞭が最大限発揮される舞台が、これまた武侠もの功夫ものにお約束の制約つきのシチュ。竹の尖ったのコワイ。

このシーンではリウ・カイチー(廖啟智)がまたしても不憫な最期。ダンテ・ラムだけでない、香港の監督はみんな彼をいじめるのがお好きなようで。納得です。ここで憎らしい敵として登場するのが、シー・シンユー(釋延能)っす。やたら派手な武器がイカしてた!

かと思えばラストファイトのらうちんは鞭じゃありません。武侠物らしいラストファイトは嬉しくて笑っちゃいます。そしてあの一撃・・・ドニー・イェンファンの私はドラマ精武門を思い出してしまいました。そういやあれのディレクターの1人がベニー・チャンやったわ!
kijyou-06
特別出演としてウー・ジンくんも出演していましたが、想像以上に出番多かったよ。ファイトするのはエディポン!この2人の関係と決着がまた武侠らしさに溢れておりました。ウー・ジンファンも必見。本当にいい男になったなぁ、嬉しい。

「コール・オブ・ヒーローズ 武勇伝」は2017年、6月10日から東京・新宿武蔵野館、大阪・シネマート心斎橋ほか全国で順次公開。

【危城 CALL OF HEROES】 香港正式預告片 Regular Trailer

カテゴリー: film, 功夫映画 | タグ: , , , , , , , , , , , , , , , | 2件のコメント

デブゴン復活?

近年、香港合作アクションが続々公開。嬉しいことでやんス。

debugon-06debugon-08

今朝起きて、こんな記事が飛びこんできました。
なーんと、「我的特工爺爺」と「危城」が邦題『おじいちゃんはデブゴン』と『コール・オブ・ヒーローズ 武勇伝』となって日本公開されるとな!

debugon-01gebugon-02

ひゃー、びっくりというか・・・デブゴンかよ!とその古い愛称をもう一度出してきたことに、正直驚いております。

「我的特工爺爺」はサモハン久々の監督主演作だし、「危城」のほうはラウ・チンワン、エディ・ポン、ルイス・クー、ウー・ジンという豪華キャストだし、たくさんの人が観たいと思っていたのではないでしょうか。

実は両方すでに観ております。ブログに書こうかと思っていてメモしたままなんとなくそのままになっていました。多分、今までで一番デブゴンという名称がそぐわないタイトルかとも思うのですが。
うーむ。

《特工爺爺》(THE BODYGUARD) 香港予告
【危城 CALL OF HEROES】 香港正式預告片

今からこんな事を言うのは大変申し訳ないのですが、『コール・オブ・ヒーローズ 武勇伝』という邦題は多分覚えられないと思います。なんとなく脳が覚えてくれそうにない。そう思うとこれって・・・と思った『ドラゴン×マッハ!』とかこの『おじいちゃんはデブゴン』の方がまだ覚えていられるのかなぁと。悩ましい。

最近、小規模ながらまた香港合作アクション映画がこうやって公開またはソフト化されるようになって嬉しいですね。

エディ・ポンの黄飛鴻「黃飛鴻之英雄有夢」も『ライズ・オブ・ザ・レジェンド ~炎虎乱舞~』となってソフト販売されるようだし、同じく視聴したウー・ジンくんの「戦狼」が『ウルフ・オブ・ウォー ネイビー・シールズ傭兵部隊 vs PLA特殊部隊』という邦題で発売済み(スコット・アドキンスもいるでよ)。ウー・ジンくんはたしか現在この続編「戦狼2」の撮影に取り掛かっていたはず。この流れは昨年の東京国際映画祭で観たダンテ・ラムの「湄公河行動」こと『メコン大作戦』も出そうな勢いです。

debugon-03debugon-04

そういえば、今年2017年の大阪アジアン映画祭であのクララ・ウェイ姐さんのアクション主演作『MRS K』も『ミセスK』としてオープニング上映されるらしいじゃないですか!これは彼女の再ブレイク作となり、多くの映画祭で女優賞をもたらした「心魔」のホー・ユーハン(何宇恆)監督が、彼女にもう一度主演でアクションをさせるべくメガホンを取りました。アクション監督はアダム・チャン(陳中泰)、香港マレーシア合作。

debugon-05
女版『ヒストリー・オブ・バイオレンス』!!すっごく観たいのですが、残念ながら大阪に行く機会はない。絶対にこれ好きなヤツ!クララ姐さんの怒りの鉄拳を観たい観たい観たい。是非どこかソフト化してください、待ってます。
『ミセスK / MRS K』 予告編 Trailer

「心魔」といえば香港でBD買ってきたのにまだ封も開けてなかった。今度観よっと。

今、ノリにノッてるクララ姐さんは、昨年「幸運是我」(監督:羅耀輝)という作品でアルツハイマーに侵された初老の女性を演じいて、昨年香港で観ようとしたものの時間がどうしても合わなくて見送った映画。これも機会があったら観たいなぁと思っております。今、日本に入ってくる香港映画は圧倒的にアクション映画が多いのですが、アクションなしの作品も観る機会が増えて欲しいなと願うばかりです。

第35回香港電影奨の作品賞に選ばれたオムニバス映画「十年」も香港の劇場で観たものの、どうしても会話がまったく分らず、ニュアンスさえ汲み取れなかったものがひとつあるのです。日本語字幕欲しいです。

平日の午後に観たにもかかわらず、老若男女が詰めかけ満席、みんな涙を流しながら観ておりました。
debugon-07

カテゴリー: film, 功夫映画 | タグ: , , , , , , , , , , , , , | 4件のコメント

弾丸と共に去りぬ 暗黒街の逃亡者(原題・一歩之遥 2014年・中国)

チアン・ウェン監督・主演PV誕生。シュウ・ケイことスー・チーは永遠の輝き。

GWTB-04
↑中国のセクシー番長、姜文

本作を大陸公開後しばらくして中国のPPVで観ようと試みたのですが、冒頭の、文章(ウェン・ジャン)、姜文(チアン・ウェン)先生、葛優(グオ・ヨウ)の延々続く台詞のやり取りに、私ごときの中国語では理解不能でわずか5分で断念。これは日本語字幕がないとワケ分らんと、待ってたらいつの間にか日本公開されていたようで。

ローグ・ワン』のベイズを観てから、思い出して検索したらすでにソフトになっており慌てて借りてきました。私が断念した部分を日本語字幕で観て、やっと何を話していたのかわかった次第。

文章君は、民国統帥(劉利年)の七男(ちなみに父親の方は本妻と6人の妾がおり、劇中ではロシアから来た第八夫人と結婚する)。冒頭から彼がイタリア人の女に屈辱的に振られた話を延々続ける。『ゴッドファーザー』のドン・コルレオーネよろしくウザギをなでながらその話を聞くのが姜文。侍従のように傍で控える葛優。

この七男の台詞で速攻、チアン先生の前の嫁(正確には元パートナー)がフランス人であったことを思い出す。海外留学したわけでもない中国に住む中国人で嫁がフランス人って知った時はぶっちゃけ凄いと思ったし、またその人と別れて年の離れた共演女優と結婚したというのも、ゲスな話ですが姜文というセクシーで魅力的な映画人に対しかなりの想像力を掻き立てる。そこへあの文章の恨みごとの台詞なので、「これは」と期待したのにそこは自然に霧散。とほ。

女を見返すためにオヤジの金をくすねてそれをマネーロンダリングしたいと言うドラ息子の願いを叶えるべく、チアン先生扮する主人公馬走日(マー・ゾウリー)は、でっちあげた美人コンテストを派手に開催、自らの幼馴染で娼婦の舒淇(スー・チー)を優勝させる。このショー場面がね、往年のハリウッドミュージカル仕立てでとても楽しいし、お約束のバズビー・バークリーもあるでよ。
GWTB-02

ラウ・カーリョンの功夫映画にすらバズビー・バークリーを思い出す私がこれに喜ばないわけはない。おまけにミュージカルシーンがすべて舞台上の演出というあたりもトーキーになってから40年代までの往年のハリウッドミュージカルを意識したノリで、しかもそれを姜文が監督しているというのが、より一層興奮させました。おまけにチアン先生と葛優のステップつきっすよ。

ここで一段と光を放つのが優勝者となるスー・チー。『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』でもそうでしたが、本当にこのモダニズムファッションに身を包んだ彼女は素晴らしい、大好き。

GWTB-01
↑美しすぎるのでデカサイズ、どや。

このカラクリとその後の彼女のスターぶりは、好景気に狂乱する現代中国の芸能界と一部の特権階級の暗喩なのかなと思ったそばから、スーチーはマーに結婚しろと迫る。あら、男を踏み台にスターになりたい女でもないわけだ。純情じゃないですか。しかし彼女の求婚を断るマー。女は手にした銃の引き金を引くも弾切れでセーフ。大笑いした男女はアヘンをキメて月に向かってドライブ。

ぼんやり『華麗なるギャツビー』だとか、わざとおもちゃっぽく仕上げたCGとセットに『ワン・フロム・ザ・ハート』や『スウィーニー・トッド』を思い出しちゃったよ。

で朝気がついたら車は横倒しになり隣にいたはずの女が死んでいた。そしてそれを知ったマーは彼女を残したまま逃亡する。

と、ここからは知性のない自分には、ちょっと話と主人公マーのキャラクターが掴みづらくなってしまいました。時折、現代の官僚や大衆の欲求と拝金主義、法やマスコミなど、ふっと断片が浮かんでは消えてゆく。清を転覆させた国民革命の総括ととる評論もあるようですが、自分にはむしろそれになぞらえて現代中国を皮肉っているような感じがどうしてもしました。

チョウ・ユン(周韻、現・姜文夫人)演じる監督志望の統帥令嬢がマーに惚れ嫌疑を晴らそうとするところからまた迷子になりかけたのですが、最後彼女を殴ってまで自分のみで決着をつけようとしたところに、抗えない商業主義のなかにあって一縷の望みを芸術や映画に託したい希望が重ねられているのかと考えたりして。

が、それが正しいかどうかなんか分んない。とりあえずお召替えも多かったし相変わらずセクシーだったので、これはもう姜文PVでいいやと最終的には思ってしまったのでした。

GWTB-05

そして一番強く残ったことは、相変わらず葛優にはドSだなぁということ。もともとドSで鬼畜な男姜文監督ですが、ほんと、葛優が好きなんだな。
GWTB-03

そしてこの人は奥さんが出るととたんに観念的なキャラにしてしまうということもわかった。

日本予告
香港予告

スー・チーは別人の吹き替えでしたね。

おまけ
チアン先生はとにかく声がセクシー、そこで彼の素敵なナレーション
大自然在说话:姜文 海洋|保护国际基金会(CI)

↑これが何かはここで

カテゴリー: film | タグ: , , , , , , , , , , | コメントする

トリプルX:再起動(2017年・米中合作)- ドニー・イェン 甄子丹

ネタバレなしのつもり。銃を撃つドニーさんが新鮮。一足早く新宿TOHOで行われた試写を観ることができました。ありがとうございます!

xxx-01

ローグ・ワンから約2カ月後、この映画が日本で公開されるとは、なんという素晴らしい追い風でしょうか。フォースはドニーさんとともにある!と言ってしまいたくなる日本でのドニー事情、というかこの流れは世界的なんですよね。やはりフォースは(略)。

いかにもアメリカ映画というポップコンムービーです。楽し~い。オープニングで主演ヴィン・ディーゼルの次にクレジットされた名前は胸熱。苦節三十数年、やっと・・・。

残念ながら、前作前々作も観てないけれど、別に関係ないでしょう!とタカをくくっておりましたが、その通りで無問題。まぁ、ヴィン様がかつてトリプルXと名乗っていたNSAエージェントだった、また続編では二代目トリプルXをアイス・キューブが演じていたということだけ知っていればよいのではないでしょうか。

キャストが多い。中でもこの映画は女性キャストが派手格好いい。
特に気に入ったのが、ルビー・ローズとディーピカー・パードゥコーンのとってもお美しいお姿。もうねド真ん中ですわ。その素敵なスナイパーぶりとガンカタ風味の腕前に私のハートも撃ち抜かれてしまいました、うふふ。

xxx-02

あとトニー・ジャーも出てるんだよ!そしてトム・ヤム・クンみたいなノリでパルクールしたり、ムエタイサマーソルトも健在。金髪めっちゃ似合ってるし。

ドニーさんも見せ場バッチリ。人類にとって最悪の凶器になる「パンドラの箱」を、肩の力を抜いて明るく強奪するあのキャラクターはご本人発案なんでしょうなぁ。

この映画の売りのひとつはその名の通り、Xスポーツの高手であるトリプルXのスタントアクションですが、ここでは予告にも登場した山スキーとともに海上をシーバイクでチェイスするという信じられないシークエンスがあります。
xxx-04

どうやらこのバイク、実在するもののようで。たまたま見つけたリアルシーバイクの動画に驚きました。ひぃ~、人間ってどこまですごいんだ。

アクションはノンクレジットながら、自身のシークエンスをドニーさんがコレオグラフしております。途中「お、こいつはカンフージャングルのあれかしら?」と思わせる設定があって、監督以下制作側がかなりドニー作品を気に入ってる事がうかがえます。実際、現場ではアクション部はもちろん、スタッフの多くが彼の映画を観ており、リスペクトしてくれたようです。何度も繰り返しになりますが、多分そこにいた誰よりもキャリアが長く実績があるのだから当り前と言えば当り前。

銃を撃つドニーさんも新鮮で、「同じことはやりたくない」ことを念頭に置いてこの役を引き受けたことがなんとなく分ります。とはいえ、ドニー・イェンショーケースとばかりに、ワンジャンプ3回蹴りとか、ぐるぐるパンチとかちゃんと入ってて、しかもぐるぐるに至っては、いつもより多めに回しちゃってます(笑)。

xxx-03

ドニーさんに限らず、とにかくアクションテンコ盛りのこの作品。ワイワイ仲間と観に行くのにピッタリかと思います。久しぶりにポップコーン食べたくなった!どうやらIMAXで上映する劇場もあるそうなので、ぜひとも友人を引き連れてIMAXで観たい。そして、ネイマール、かわいいよ、ネイマール。

さすが、ハリウッド大作だけあって日本全国一斉ロードショーです!
まずはOPクレジットの2番目に登場するDONNIE YENの文字に涙しましょう。
ほんとう、これを弾みに『イップ・マン 継承』の公開館の数がもっと増えることを切望しておりますよ。フォースよともにあれ!

『トリプルX:再起動』その2:ドニーさん小ネタ – ドニー・イェン
2017年2月24日公開。
日本公式サイト
日本予告編
メイキング
インタビュー
台湾予告

さて、長年功夫映画ブログを続けておられて、私も愛読してる『超級龍熱』ブログの知野二郎さんと先日『イップ・マン 継承』の試写会とこの『再起動』の試写会でご一緒になり、両日とも上映後にお話させていただく機会を得ました。

やはり、長年功夫バカ(ほめてる)を貫いていらっしゃるだけあって、その含蓄に恐れ入りました。私の方は普段ドニーさんのマニアックな話をする機会がまったくないので、ここで会ったが百年目、思い付くままに喋りまくってしまいましたよ。楽しかった~!!!!本当に楽しかった。多分今までの人生で一番たくさんドニーさんの話をしたに違いない(喜)。至福の時間でした。知野さん、心からありがとうございました。

カテゴリー: film, 功夫映画, 甄子丹 | タグ: , , , , , , , | 5件のコメント

ローグ・ワン スター・ウォ―ズ ストーリー(小ネタ) – ドニー・イェン甄子丹

まだ冷めないローグ・ワン熱。そこでドニー・イェン限定小ネタでやんす。

rogueone-11

どうも。ボーディがソウ・ゲレラの手下に連行されるジェダのファーストカットで、(彼等もこのジェダイが彫られた岩山まで来た事があっただろうか?と)すでにグッときてしまう私です。

おもしろいもので観る回数が増えるほど、少ない台詞を必死に読み解こうとするし、そこから劇中描かれていないことも色々妄想が膨らむ、ほんと楽しいローグ・ワン。そして近所のシネコンで大画面のドニーさんが見られるというめったにない機会を惜しむようにせっせと観に行ったりしております。

世間ではドニー・イェンという存在を知った方がケタ違いに増えたみたいで。知人と話していても、なにげない会話にドニーさんの名前が出ようとは!しみじみよかった!!!

どころか世界中のShipperのみなさんがチアルートとベイズに悶絶している様子も伝わってきて、心ひそかにガッツポーズをする自分。そっち方面はとんと縁のなかった(いや、三国志英傑伝があったか。共演は同じ姜文)ドニーさんでしたが、役者は映画の規模とキャラでファン層の広がりが全く違ってくるんだなぁと感心しております。ふふふ。

さて、あれから色々インタビュー動画を見たり記事を読んだりして、いまさらですがドニーさんに関しての情報を少し。

家族と5カ月も離れてロンドンで仕事をすることを渋ったドニーさん、お子さん達に「パパの葉問とスター・ウォーズだったら、どっちが観たい?」と訊いたら「スター・ウォーズ!」と即答され出演を決めたこと。盲目でその目がブルーなこと、そして棒を武器にすることはドニーさんの発案だったとは結構有名な話。

その息子さんのジェームズ君がハロウィンにチアルートのコスプレをし、北京でのプレミアでもそれで登場しておりました。
rogueone-20

あれはドニーさんがルーカスフィルムに事情を説明して衣裳の資料を送ってくれるよう頼んだところ、ドニーさんの衣裳に使用したテキスタイルも送ってくれて、自らの会社バレッタ・フィルムで制作したそうです。これって多分世界にひとつしかないミニサイズのレプリカってことですよね。すごっ。

そして出演を決めたもうひとつの要素。
すでにドニー作品をご覧になっていた監督とのデスカッションで「アクションというより、あなたの人となりに合った役なんだ」と熱く語られて陥落したようです。常々、違うことにチャレンジしたい、俳優として成長したいと言う彼のツボを監督はうまく突いた結果となったようです。

時々ドニーさんが話す、「役者として認められたい」という欲求は、過去多くのアクション俳優が辿ってきたのと同じ境地なのかなぁなんて思ったりもして。

キャリアの多くをアクション要員としてしか見てもらえず、ヘタすると役の人格すら疎かにされてきただろうことを考えるとその欲求はしごく当然ですが、一方でかくも(色んな意味で)アクション俳優はグラビアアイドル出身女優に似た軌跡を描くことよ、とも感じております。この先ドニーさんがまた違う心境に至る日が来るのなら、それも楽しみにしたい。まだまだ変化し続けますよこのお人は。

アクションの現場では、アクション部がなにかにつけ「ドニー兄貴、これでいいっすか?」と微に入り際に入りお伺いを立ててくれたそうで、ブレイド2の時に味わったのと全く違う感触を今回は得られたようで一安心です(これ一番重要)。間違いなくそこにいた誰よりも経験豊富。下手すれば彼等が生まれる前からアクション映画撮ってるって、みーんな知ってるんですもんね当り前です。やっと世界が追い付いてくれましたよ。

rogueone-19

そしてそのアクションは、香港で撮るより遥かに少ない時間で撮った短いシークエンスながら、初めて観る人達に強い印象を残したようで本当に喜ばしい限りです。

今はちょっと検索するとザクザクドニーさんのアクション動画が出てきますからね。これを機会に彼の本気のアクションに初めて触れてぶったまげている人が世界中にいることが嬉しいです。私が観ておしっこチビリそうになったあのコーフンを初めて味わっている人がいるのかと考えると、なぜかとっても羨ましい。

一番印象に残ってるのは I fear nothing. All is as the Force wills it. という台詞だそうで。「どんな俳優もこの台詞を言うことには抗えないよね」とご本人。

ギャレス監督がドキュメンタリー方式で撮影しエキストラにも好きに動いてもらったというのは、日本語の記事にもありましたが、ベイズとのやりとりもかなり自由にアドリブをかましていたそうです。残念ながらカットの憂き目に遭ってしまったシークエンス。
ベイズ「チアルート、どこにいる?」
チアルート「私はここだ」
ベイズ「どこだ」
チアルート「ここだ」
ベイズ「俺を捜せよ」
チアルート「見えないのにどうやって?」
などとと監督がカットをかけないものだから、2人で丁々発止やりあって終わった時は現場が爆笑だったらしいっす。観たいなぁ、それ。ディズニーってあまりデリートシーンは見せないんでしたっけ?是非ソフト特典につけてくださいよう。勿体ない。

そういえば、ドニーさんがピアノを弾くことはご存知の方も多いでしょうが、実は絵も描けるのです。

ローグ・ワンのアジア向け広報番組に出演した際、番組でドニーさんに絵を描いてもらい視聴者にプレゼントという企画がございました。そこで描いたのがこれ。
↓えーと・・・これ、バックスバニー・・・です・・・よね?ね?
rogueone-12

実は今まで何度かこの絵を描いており、昔「あなたにとって宇宙人とは?」というよくわからない企画でこの絵を描きドヤ顔しておりました。「宇宙人は耳が長くてフワフワで可愛いんだけど、すごく俊敏で恐ろしいヤツなんだ!」というコメントつき。
rogueone-13

↓また別の所でも描いている
rogueone-14

多分、彼が描けるのはバックスバニーのみで、唯一の持ちネタなんでしょうな。
↓それ以外では、こんな感じ
rogueone-15
rogueone-16
画皮のプロモで、「あなたにとって妖魔とは?」の質問(そんなんばっかりか!)に「うちの息子。寝てるところを夜泣きで起こす時はそう」と回答。

riguepne-21

ところで、『イップ・マン3』の邦題が『イップ・マン 継承』になり公開も今年4月22日に決定しました。GAGAさん本当にありがとう。

先日新宿武蔵野館に行ったら、ポスターがありました。
rogueone-22

おまけに香港で観たマナーCMも日本語字幕でかかってた!すごい、うれしい!これサイコーですから!!

継承という副題も、ブルース・リーかよと言いだせば「大げさな」と感じるかもしれませんけど、ラストファイトを覗き見していた互いの子供達のことと思えば、納得ではないでしょうか。日本語字幕のイップ・マン3楽しみですし、ひとりでも多くの人に観て頂きたいなぁと願うばかりです。

おまけ:画像をフォルダで捜していたら、どちゃくそ可愛いドニーさんを見つけました。with パンダ。
rogueone-17

ピアノで思い出した。大陸限定ローグ・ワンイメージソングをジャム シャオ(蕭敬騰)さんが歌っており、PVではドニーさんがピアノを弾いておりますですよ
【HD】萧敬腾 & 甄子丹 – 决绝的信仰 《星球大战外传:侠盗一号》中文推广曲 MV

追記:『xXxトリプルX:再起動』の香港プロモ会見したドニーさん、次の外伝『ハン・ソロ』に出演するのでは?という噂を否定しました。しかしこれによるとどうやら(ディズニーと)契約は交わしたようで別の企画だと言います。

「ほかの計画はあるよ、新しいことしたいし同じ役じゃつまらないよね」とコメント。ディズニーの新作?実写ムーラン?それともまったく別の作品???楽しみだなぁ。

カテゴリー: film, 甄子丹 | タグ: , , , , , , , , , , , , , , , | 2件のコメント

ローグ・ワン スター・ウォ―ズ ストーリー(2016年・米)

ドニーさんファンの観たローグ・ワン(ネタバレ・レビュー)「希望は、死なない―――」は、近年で素晴らしいキャッチコピーだと思う

rogueone-01

もう何度も観た。2DもIMAX3Dも吹き替えも4DXも観た。1人でも行ったし、学生時代、渋谷に『帝国の逆襲』を一緒に行った友人とも観た。毎回観る度に新鮮。
私はドニーファンなので何かとチアルートとベイズ(もれなくついてくる)に気が行きがちですが、観返すとどんどんメンバー全員も好きになって、他の映画ではなかなかない感情が生まれてきました。私に絵心があれば絶対彼等を描いてるし!これが・・・ブロックバスター・・・!?と戦慄しております。すごい。

昨年の7月、香港のタブロイド紙、蘋果日報が「ドニー・イェン、スター・ウォーズに出演!」とスクープした時には、まったく信用しておりませんでした。ここはしょっちゅうデマ、しかもかなりの悪質デマや洒落にならないゴシップネタを書き散らかすので「なに言ってんだ、ああ?」と鼻で笑っていたのであります。

そのうちにあれよあれよと、どうやらスター・ウォーズではなくスピンオフのほうでオファーを受けていることが漏れ伝わってきて、8月にはオフィシャルからメンバー全員の写ったスチルが公表され正式に出演が発表されました。いや、驚いたのなんのって。

しかし、私はまだその役を信用しておりませんでした。ちょろっと出てきて功夫を披露してさっさと死んだりするのじゃないかと心配で心配で。事もあろうにファンの私が一等猜疑心が強かったのでございます。申し訳ありません!!ドニーさん、お許しください!

rogueone-04

と、いうわけで本編です。
いやぁいい役だったなぁ、チアルート。もし、これを読んでる方で「アクションがさー予告のとこだけだったし物足りないじゃーん」と思っている方がいらしたら、是非リピートしてみてください。字幕でご覧になった方は吹き替えで観ることをお勧めしますし、反対に初見吹き替えの方は字幕で。

ドニーさんのアクションに関しては、ギャレス・エドワーズ監督がインタビューで話していたように「たった1日で撮った」感じもしました。いや、それでも凄いし初めてドニーさんをご覧になった皆さんが「強い!ジェダイより強いんじゃ?」と仰っているのでインパクトは充分すぎるほどあります。さすが。
普段ドニーアクションを穴があくほど観てるので「いやいやこんなもんじゃ!」と一瞬頭をよぎったりもしたのですが、リピートしてキャラクターや全体像がクリアになると、むしろあれでよかったし、インタビューを判断するとドニーさんがアクションコレオグラファーとしてスター・ウォーズという世界観を踏まえたうえで作っているはずなので、さすが一流のアクション監督だと考えます。だってジェダイじゃないし。
 
たった1本の棒でストームトルーパーをシバキあげる動きは、短時間で撮っただけあってカット割りが少なくロングショット多めで撮影されており、ストレスは少ない。瞬時に低い姿勢を取りブラスターを蹴り飛ばす足元や、トルーパーへの足払いなどいいアクセントになっております。でもってあの美しい黒赤の裾を翻す動きは絶品ですね!ほんとドニーさんの長い衣裳アクション大好き。自分がどう動いたら裾が翻るのか、考えなくても分っていそうです。素晴らしい。左のトルーパーの腕を固め、右のトルーパーの足を棒で突き「足は大丈夫かな?」と言い放つ間合いとか「ひゃーかっこいいいいいい」とホレボレしました。

あと、イードゥーでのライトボウ。あのライトボウでタイファイターを一撃にするとこ!あそこめっちゃ好き!あれだけ1日エンドレスリピートしてもいい!

あえて残念を捜すとしたら編集までドニーさんにやらせてくれたら、もっと分り易い動きに見えただろうなと。いつもは、あれよりずっと高度な動きを長時間していますが、もっと分り易いもん。やはりアクションは動き、カメラ、編集、これが揃ってこそなんだなぁと思った次第です。そこは一流スタッフだけに問題は少ないですが、ひょっとするとほんのちょっとのセンスみたいな差なのかもしれません。ここがハリウッド映画に出るということの今後の課題になるのでしょうか。

rogueone-03

しかしそんな些細な事を補って余りあるほど、なんといってもこのチアルート・イムウェという役が最高に良かった。私には『捜査官X』の劉金喜に次ぐお気に入りキャラクターになりました(次点葉問)。いいなぁチアルートさん、思わずほっぺスリスリさせてくれと言いたくなるあのキャラクター。盲目というアイディアはドニーさん自身が出したもので、ギャレス監督がそれを気に入ってくれて採用となりました。監督本当にほんとうにありがとう。

盲目の戦う僧侶、なんて聞いたら無口で東洋の神秘的なステレオタイプを思い浮かべてしまいがちですが、そんなことなくて心からよかった。異文化の神秘的な男は『セブン・ソード』で、無口な戦う東洋人は『ブレイド2』で、とうの昔にやっちゃいましたもんね。

常々、新しい事にチャレンジしたいと言い続けているだけあって、彼はただの東洋の神秘ではありませんでした。むしろジェダイが絶滅したと思われている世界で頑なにフォースを信じる姿は風変わりすぎるし、また信仰の深さとその信仰心から滲みでる人としての無邪気さはチアン・ウェン演じるベイズという無骨な男が傍にいることでより鮮明になりました。ベイズよかったわー惚れたわー。

公開前、ドニーさんがやたらと“May the Force be with you”と言いまくるので、前述した通りその役の重要性に関してまだ猜疑心のあった自分は「ドニーさんそんな飛ばして大丈夫なんかい」と心ひそかに思っていたのですが、いやいやいや、失礼しました。

ジェダの街を歩くジンの耳に最初に届いたMay the Force “of others” be with youというチアルートの言葉は、様々な派生作品群である拡張世界「スター・ウォーズ レジェンズ」のひとつ、コミック『The Star Wars 1』で出てきたのだそうです。

そして、このスピンオフによって今後スター・ウォーズファンに長く語り継がれるだろう名言
“I am one with the Force and the Force is with me”
これはもうねドニーさんじゃなくてもガンガン公開前からフォースフォース言いますわね、正直すまんかった。

rogueone-02

最初主人公ジンは顔が険しくて、抜き差しならない空気をずっとまとっておりました。そりゃ目の前で母を殺され父とも離れ離れになり、育ての親にも捨てられたと思いひとり生きてきた人にとってどんなに苦しい道のりだったでしょう。そのジンに邪心なく「彼女についてゆく」と真直ぐに言う人物がチアルートさんだったわけで。

雨の中、彼女を追って出てゆくチアルートにベイズが“Good luck !”(勝手にしろ)と声をかける。それに振り返りもせず“I don’t need luck. I have you!”と悲痛ではなく明るい声で叫ぶ。アクションよりなにより、この台詞が一番ドニーさんをドニーさんたらしめておりました。もうね、このシークエンスだけで文句なしです。なんて素敵な台詞なんだろう(涙)。

そして、ったくといった表情ながら、その彼の決断に迷いなくついてゆくのがベイズ。ほんの少しでしたが、ともに行動することでジンがそんな2人を信頼してゆくのが見て取れました。ああ、ジンちゃん、もう少し時間があったらもっと2人に甘やかされて欲しかった・・・。

rogueone-05
↑互いの差し色が同じ赤というのも粋でしたな

おまけにね、散り際がね。
マスタースイッチのコンソールに向かって“I am one with the Force and the Force is with me・・・”と唱えながらまっすぐに歩くチアルートと“Come with me!”と止めるベイズ。スイッチを入れて微笑むチアルートをフォースが護ってくれたのだと思います。ジェダイの登場しないスター・ウォーズの外伝として、唯一フォースをこの作品に繋ぎとめたのが彼でした。これを素晴らしいキャラと言わず何と申しましょう。

“Look for the Force and you will always find me”ベイズの腕の中でそう語りかけると、チアルートは息絶える。遠くではボーディの待つはずだった貨物船が爆発する炎が立ち上る。
ベイズは立ち上がると“The Force is with me and I am one with the force”と呟きながら目の前の敵に向かっていきました。
チアルートがI am・・・から始めるのに対し、ベイズはThe Force・・・から。「フォースを捜せば、私はいつもそこにいる」だからこそ最初は、The Force is with me、チアルートが我とともにある。
そして今際の際にベイズが見たのはチアルートの姿でした。まるでI have you!と言われた時のような笑みを浮かべて。

あかん。書いてるだけで泣きそうです。
本当に素敵な2人でした。そして書き切れなかったけど他のメンバーも溺愛しています。ジンとキャシアンの最期も眼がもげるかと思うほど泣きました。孤独に最悪な毎日を過ごしてきた2人が最後に生きてきた意味を見いだし達成した後に訪れた静寂。互いをいたわるように抱き合った彼等の姿に安寧が訪れるように願わずにはおれません。
 
K-2SOもボーディも狂おしいほど大好きです。そして彼等がかろうじてバトンを渡した希望をレイアが受け取る。HOPEという言葉がここまで深かったとは。帰ってすぐにEP4を観ましたが、もう全然違って見えました。それだけで、この作品は充分です。ほんと、ありがとう。

そしてドニーファンとしては、葉問の時に書いた言葉をもう一度ここで繰り返したいと思います。
ドニーさん、この役に巡り合えてよかったね。

追伸:あと痺れたのはあの方の登場と絶望的強さ、加えて反乱軍にも裏の仕事が存在し、同盟とはいえ思惑はそれぞれ違うという設定が好きでした。「映画は時代を映す鏡」監督が言った言葉には非常に共感できました。

そしてクライマックスはハンマーヘッド・コルベットだ!!!!すごいよハンマーヘッド、小さいのに最高だよ。しかも最後はスター・デストロイヤーと一緒に落ちてゆくなんて。これにも熱いものがこみあげてきました。あなた達の希望もちゃんと渡ったよ。ルークが最後の希望・・・それがこれほど胸に迫ったことはありません。スピンオフとして最高だったと申し上げます。

と、書いたところでレイア姫であるキャリー・フィッシャーさんの訃報が飛びこんできました。
悲しいです。あの無鉄砲でタフなレイア姫の記憶は永遠です。May the Force be with you・・・

関連リンク
ドニーさんとチアン・ウェンは実は共演済みだった
関雲長 中国普通話簡体字字幕版DVD―ドニー・イェン 甄子丹
三国志英傑伝 関羽 日本語字幕版を試写室で―ドニー・イェン 甄子丹
いや、とにかくすごい俳優監督ですから、姜文先生は
映画 鬼が来た!(2000年・中国)
映画 譲子弾飛(2010年・香港、邦題:さらば復讐の狼たちよ)
ミッシング・ガン(2001年・中国、米)
「見知らぬ女からの手紙」(2004年・中国)
さらば復讐の狼たちよ(2010年・香港中国)
緑茶(2002年、中国)

ドニーさんとチアン・ウェンの仲よさげなお喋りで始まるローグ・ワン予告中国バージョン
Rogue One: A Star Wars Story Official Chinese Trailer
谷垣さんから聞いたところでは、ずっと一緒だったから本当に仲良しになったそうな。また共演して欲しいなぁ。2人とも大好き。

カテゴリー: film, 功夫映画, 甄子丹 | タグ: , , , , , , , , , , , , , | コメントは受け付けていません。

西遊記之孫悟空三打白骨精・(邦題) 西遊記 孫悟空vs白骨婦人(2016年、香港・中国)

コン・リーのケタ外れの美しさに、ただ平伏すのみ!!

Gong-Li
↑マレフィセントとか言う奴は、ホネホネ軍団に追い掛け倒されてしまえ

ややネタバレ気味
一応前作『モンキー・マジック 孫悟空誕生』の続編でございます。今度はアーロン・クォックが孫悟空。本当は中国深圳で3D版を観ようと思ってたのに諸事情により観られなかった作品。

これは一言で済むのかも。
コン・リーすごい!

どういうことでしょうか、あの存在感。あまりの美しさに震えがきましたよ。彼女が白骨精なので当然悪役ということになりますが最高でした、もうコン・リー様1人で100点満点を差し上げます。あの鞭で容赦なくシバかれたくなること間違いなし。

前作に比べるとCGが見違えるほどよくなってて、脚本もシンプルにまとまっており、とっても嬉しかった。ラストバトルなんてすごい迫力。動作導演はサモハン。ソイ・チェンよかったよおお。

monkey

アーロンの孫悟空がキュートでねぇ。ちゃんと誰だか分ったし。ウキッ!前作のドニーさんもそうでしたが、孫悟空がこんなカワイイなんてズルイ。しょんぼりしてる姿とか本当にズルイ、あざとい、でもそこがいい。しかも2人ともオーバー50、どうなってるんだ香港。

唐僧は馮紹峰(ウィリアム・フォン)。しゅーっとした男前です。多分映画よりドラマのほうがお馴染みさんなのかもしれませんが、残念ながら私は映画でしか観たことがない。フィルモグラフィーを眺めると結構出演作を観てる事に驚きますが、作品によって感じが違う。

三蔵法師というと日本だと夏目雅子さんとか宮沢りえさん深津絵里さんのキリっとしたイメージが強いけれど、唐僧とは中国では「マヌケ」を意味する言葉だったりするそうで。まぁ愚直ってことでしょうか。でもその愚直さが最後の最後に白骨精を救い、孫悟空をはじめ猪八戒や沙僧との結びつきをより深くするのですよね。「来世でもお前の師父でありたい」という台詞に最後ホロリときましたよ。とってもいいラストへの流れでした。

ラストと言えば、ラストシーンに1986年六小齡童版『西遊記』のテーマが流れてきて、めっちゃびっくり。そっちへふったかー!
ちゃんと原曲の作曲家許鏡清から権利を買って、新しくアレンジして中国交響楽団で録音したものだそうですよ。そしてクレジットソングは当然アーロンが歌うこれまた80年代っぽい楽曲(新曲だけど)『就是孫悟空』。

エンタメとして非常に楽しかったし、絵もきれいでやはり劇場で観たかった。

・・・と思ってたら、日本でもTWIN配給で公開が決まったのですね。邦題は『西遊記 孫悟空vs白骨婦人』。
うは!こっちは1985年の中国アニメ『西遊記 孫悟空対白骨婦人』できちゃったよ。同じ会社ですがモンキー・マジックをそこまでなかったことにしなくても(涙)。

Gong-Li-02
何枚でも貼ってやる。でも写真より動いてる方が100倍きれい。

目が潰れそうなほど美しいコン・リーのお姿を眺めるだけでもお金を払う価値は充分にあります。日本公開は2016年8月6日よりシネマート新宿、シネマート心斎橋にて。是非、大きい方のスクリーンでお願いします、本当はいい音で観たいんだけどなぁ。音で全然変わるもんなぁ。

日本版予告
1986年六小齡童版『西遊記』のテーマ
郭富城-就是孫悟空

カテゴリー: film | タグ: , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , | 4件のコメント