西遊記之孫悟空三打白骨精・(邦題) 西遊記 孫悟空vs白骨婦人(2016年、香港・中国)

コン・リーのケタ外れの美しさに、ただ平伏すのみ!!

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↑マレフィセントとか言う奴は、ホネホネ軍団に追い掛け倒されてしまえ

ややネタバレ気味
一応前作『モンキー・マジック 孫悟空誕生』の続編でございます。今度はアーロン・クォックが孫悟空。本当は中国深圳で3D版を観ようと思ってたのに諸事情により観られなかった作品。

これは一言で済むのかも。
コン・リーすごい!

どういうことでしょうか、あの存在感。あまりの美しさに震えがきましたよ。彼女が白骨精なので当然悪役ということになりますが最高でした、もうコン・リー様1人で100点満点を差し上げます。あの鞭で容赦なくシバかれたくなること間違いなし。

前作に比べるとCGが見違えるほどよくなってて、脚本もシンプルにまとまっており、とっても嬉しかった。ラストバトルなんてすごい迫力。動作導演はサモハン。ソイ・チェンよかったよおお。

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アーロンの孫悟空がキュートでねぇ。ちゃんと誰だか分ったし。ウキッ!前作のドニーさんもそうでしたが、孫悟空がこんなカワイイなんてズルイ。しょんぼりしてる姿とか本当にズルイ、あざとい、でもそこがいい。しかも2人ともオーバー50、どうなってるんだ香港。

唐僧は馮紹峰(ウィリアム・フォン)。しゅーっとした男前です。多分映画よりドラマのほうがお馴染みさんなのかもしれませんが、残念ながら私は映画でしか観たことがない。フィルモグラフィーを眺めると結構出演作を観てる事に驚きますが、作品によって感じが違う。

三蔵法師というと日本だと夏目雅子さんとか宮沢りえさん深津絵里さんのキリっとしたイメージが強いけれど、唐僧とは中国では「マヌケ」を意味する言葉だったりするそうで。まぁ愚直ってことでしょうか。でもその愚直さが最後の最後に白骨精を救い、孫悟空をはじめ猪八戒や沙僧との結びつきをより深くするのですよね。「来世でもお前の師父でありたい」という台詞に最後ホロリときましたよ。とってもいいラストへの流れでした。

ラストと言えば、ラストシーンに1986年六小齡童版『西遊記』のテーマが流れてきて、めっちゃびっくり。そっちへふったかー!
ちゃんと原曲の作曲家許鏡清から権利を買って、新しくアレンジして中国交響楽団で録音したものだそうですよ。そしてクレジットソングは当然アーロンが歌うこれまた80年代っぽい楽曲(新曲だけど)『就是孫悟空』。

エンタメとして非常に楽しかったし、絵もきれいでやはり劇場で観たかった。

・・・と思ってたら、日本でもTWIN配給で公開が決まったのですね。邦題は『西遊記 孫悟空vs白骨婦人』。
うは!こっちは1985年の中国アニメ『西遊記 孫悟空対白骨婦人』できちゃったよ。同じ会社ですがモンキー・マジックをそこまでなかったことにしなくても(涙)。

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何枚でも貼ってやる。でも写真より動いてる方が100倍きれい。

目が潰れそうなほど美しいコン・リーのお姿を眺めるだけでもお金を払う価値は充分にあります。日本公開は2016年8月6日よりシネマート新宿、シネマート心斎橋にて。是非、大きい方のスクリーンでお願いします、本当はいい音で観たいんだけどなぁ。音で全然変わるもんなぁ。

日本版予告
1986年六小齡童版『西遊記』のテーマ
郭富城-就是孫悟空

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Crouching Tiger Hidden Dragon: ソード・オブ・デスティニー(レビュー)@深圳その2 – ドニー・イェン 甄子丹

IMAX3Dのサイレントウルフ(笑)は5割増しの男前

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さて、前置きが長くなりましたが、『Crouching Tiger Hidden Dragon: ソード・オブ・デスティニー』中国大陸バージョンIMAX3Dです。この作品はもともとIMAX用に撮影されており、そういう意味では意図した形で観る機会があって幸運でした。

特に氷上の闘いでは、NETFLIX配信や2Dシアターでは暗くて見えにくかったナイトシーンが、隅々まではっきり鮮明に、そしてその効果によってドニーさんの横顔や斜め顔の男前度が5割くらい増していた、と申し上げます。(50%増という事は軽く100%超えですが、キニシナイ!)この男前フェイスを観るために深圳までやってきたんだなぁと感慨無量。

音声は、香港で広東語、大陸では普通話にそれぞれ吹き替えられております。オリジナルは英語なのでキャスト全員中国語バージョンは別人の声。広東語の吹き替えはどなたか存じませんが、普通話は一番のお気に入り陳浩。彼だったら文句なし。相変わらずええ声です。NETFLIXではオリジナルの英語に加えて、日本語吹き替え、そしてこの普通話吹き替えもあります。

香港発売のブルーレイは広東語と普通話音声のみで英語はなし。やはりオリジナル音声が一番いいので、英語も収録して欲しかったなぁ。

さて、ユエン・ウーピン先生のひさびさの監督作。しかも名作中の名作、グリーン・デスティニーの続編です。色々心配してもおりましたけど、半端にアン・リー風を目指して微妙にするよりは、まずはウーピン流として開き直った作風でかえってよかったのじゃないかなと。むしろ制作したNETFLIXがやはりオリジナルとして力を入れている連続ドラマの『マルコ・ポーロ』のビジュアルを流用させちゃったことで分るような姿勢が、残念といえば残念。

映画はミシェール・ヨーのナレーションで幕を開けます。絶崖にたたずむミシェール姐さんを遠くから見守る男のバックに流れる梅林茂スコア。この鞍上のドニーさんの姿が示されるや曲が西部劇テイストに変調(!)。始まってわずか1分半で、作品の方向性を明らかにしてくれました。なんと潔い。

賊の軍団に襲われ、応戦するミシェールのアクション、うおおおー久々です。槍の間からシュパ!と覗く姐さんの表情とか、足さばきに舞い散る木片や小石とか3D効果バッチリです、かっこよくてお美しい!しかも彼女素晴らしく演技がうまい。もうこの作品を通じて1人別次元のうまさ。堪能いたしました。しかし、そこは武侠映画ですから当然軽功使いまくり人飛びまくり。ドニーさんなんかくるくる回って登場、いいぞもっとやれ。

前作グリーンデスティニーと同じ部分があるとしたら、主人公がユー・シューリン(兪秀蓮)ということと、大人の男女と若者男女という4人構成になっているところでしょうか。若者は、Gleeのマイク役でお馴染みハリー・シャムJrとオーストラリアのモデルナターシャ・リュー・ボルデッツォ。

このナターシャちゃんがクールビューティでね、ドストライクです。顔つきとか三白眼気味の眼とかキン・フー(胡金銓)監督『侠女』のシュー・フォン (徐楓)を、ふと思わせたりして。すてきー。
彼女がシューリンに弟子入りして修行するところは萌えどころ。ナターシャちゃんの可愛さもさることながら、ミシェールさんの師父ぶりがしびれる。私も姐さんから「どこからでもかかって来なさい」と言われ軽くいなされてみたい。

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アクションの白眉は、クライマックスよりむしろ、ドニーさん、ハリー、そしてアイアンクロウとの3人の氷上ファイト。アクション監督はユエン・ウーピン、スタントコーディネーターは袁家班のリン・チーワー(凌志華)とユエン・シュンイー(袁信義)。このシーンのためにわざわざIMAX3Dを観に行ったと言っても過言じゃない。すんばらしい。

まずここでの音楽は極力おさえてあり、氷のきしむ音、互いの拳がぶつかる音が効果的。そして時折インサートされる氷の下からのカットがいい。と、そこへハリーの師匠にあたるアイアンクロウが参戦。ドニーさんの腕を切りつけます。それまでハリーに対しては素手で戦っていたドニーさんが、やおら剣を抜く。アイアンクロウの達人ぶりを一瞬で分らせ、また負傷というハンデを与えるこういう間合いはよいですね~。

↓ロジャー・ユアン演じるアイアンクロウの武器が、まんま鉄の鴉の爪であるところも高感度大
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このシーン、他では結構画面が暗かった気がしますが、IMAXでは鮮明なうえ奥行きがしっかりあり人物の浮き上がりが気持ちよくて全く暗さなど気にならなかった、というかドニーさんめっちゃくっちゃ男前だし。ミシミシとゆっくり包囲する師弟の足音が、緊張感を盛り上げます。そして静寂を破るアイアンクロウの襲撃。

氷の上では、勢いに後ろに下がるのも敵に駆け寄るのも滑りながらです。いや、このシチュエーションって誰しもが一度は考え付くかもですが、ギャグにならずしっかりとアクションシーンに仕上げるのは至難の技ではないでしょうか。ウーピン先生あっぱれ!
しかしあの爪、殺傷能力はいかほどかと思ってたら、意外と高かったのね・・・。

そして傷ついたドニーさんに文字通り飛んでくるミシェール姐さん。彼女に「また君を失望させた」と言っちゃうサイレントウルフ。もうね、ストイックさゼロ(笑)。死んだことにしてたった1人で山に籠って修行し、全ての執着から解放された男とは思えない、なんという煩悩だらけ隙だらけの剣士なんだ。

この作品のドニーさんは、今まで彼が演じてきた剣士のなかでもぶっちぎりのヘタレです(印象度だけでいえば、『新流星蝴蝶剣』や『レディ・ファイター 詠春拳伝説』より大人なぶん、より目立つ、というか、どれも相手はミシェールだ!)。眉間にさほど皺も寄らないし、かなりスィート。チョウ・ユンファが演じたリー・ムーバイ(李慕白)との変化をつけるためにそうしたのか、ドニーさんが個人的に『処刑剣』との区別を図ったかは知りませんが、ぬるいぞ。そして、未来永劫、この男はシューリンに主導権を握られて幸せに暮らすのだろうなと想像出来て、とっても和みます。

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最後に、本作では武侠片らしい愉快な仲間も登場します。なにしろ名前がシルバーダート・シー (無影鏢)にフライングブレード(飛刀李)、サンダーフィスト・チャン(鉄臂魯)、亀のマー(酒癲、さすがにこれは英訳できなかったらしく亀になった)ですもんね。で、ドニーさんがサイレントウルフ(獨狼)。この名乗りの台詞は、オリジナル英語が一番衝撃度は強かった(笑)。

↓サイレントウルフと愉快な仲間達
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ラスボスは、かつてブルース・リーを演じたジェイソン・スコット・リー。貫禄~。そしてその配下の女剣士には、ベトナムのアクション映画でブイブイいわせてるベロニカ・グゥ。『CLASH クラッシュ』で瓶で頭を殴られながら振り向きざまに相手をボコボコにした彼女です。本作ではイマイチ能力を発揮できるアクションでなかったのが勿体ない。ベトナム映画での彼女めっちゃイケてます、動けます、 アジア女性上目遣いメンチ切り選手権No.1、よっベトナムの女ドラゴン!(でももともとはモデル)
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そういえば、ミシェール姐さんもかつては『スタント・ウーマン~夢の欠片』でビール瓶で頭を殴られていたのでありました。女ドラゴンの通る道としてビール瓶で背後から殴られるのが必須とか、あるのでしょうか(いや、ない)。

盲目の預言者の役には、前作で憎っくき碧眼狐狸を演じたチェン・ペイペイ(鄭佩佩)のお嬢さんユージニア・ユアン。

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グリーンデスティニーとは世界観が全く異なるけど、エンターティメント武侠片としては楽しめる1本。氷上ファイトだけでも充分観る価値あり。あ、山頂の修行シーンの空撮も目を瞠るほどよかったです。

そしてココ・リー(李玟)とジャム・シャオ(蕭敬騰)の歌うエンディングソングがまた素敵。作曲は梅林さん。
『 如果時間剩一秒』

オフィシャルメイキング(日本語字幕つき)

それにしてもIMAX3Dと2Dで何故明るさにあんな差が出るんでしょう。その辺りの事がまったく分ってないので自分はサッパリです。3DとかIMAXのことって、実際に撮る機会がないと業界でもよく分らない人がほとんどだと色んなとこで質問してみた感想。想像するに谷垣健治さんがよく理解してて上手に説明してくれそうだけど・・・お忙しい方だからなぁ。

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Crouching Tiger Hidden Dragon: ソード・オブ・デスティニー@深圳その1 – ドニー・イェン 甄子丹

IMAX3Dのサイレントウルフ(笑)に会いに行ってきた

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自宅に、臥虎藏龍:青冥寶劍の3D+2Dブルーレイが届きました。パッケージを開けたらディスクが1枚しか入ってなくて焦ってショッピングサイトに確認しに行っちゃった。再生してみたら1枚に両方収録されておりました。今はもうそんな仕様になっているのね、知らなかった~。

実はこれ、公開されてすぐの2月に香港で2Dを、翌日中国深圳にIMAX3Dを観に行ったのであります。香港からそんな離れてない深圳とはいえ大陸に1人で行くのは初めてです。

一応目標としたのは、西遊記之三打白骨精3Dと美人魚3Dとこのソード・オブ・デスティニーIMAX3Dの三本立。これを香港からの日帰りで時間的にロスなくスムーズにこなせ、しかもソードオブをIMAX3D上映していて、深圳への出入り口、羅湖(罗湖)駅からさほど遠くなく地下鉄1本で行けて駅近のシアターを選んだら、そこしかなかった(ように思った)。

と、土地勘がまったくなく移動時間もイマイチ読めないし面倒くさがり屋でヘタレの自分にはどの劇場で観るのか決めるまでが一番骨が折れました。なにしろただの3D公開じゃだめIMAX3Dでないと(この作品は一応IMAX撮影されております)。加えて他の映画も観たいから各劇場の上映スケジュール表とにらめっこ。きぃ~。

しかし都会はシネコン多いんだな。いざこうして未知の土地、よくわからん異国の言葉でシアターを捜してみると、日本の映画情報サイトがいかに使い勝手が悪くて非合理的かよーくわかります。日本でも全国のシネコン劇場を系列が違ってもMtime时光网みたいに、同じフォーマットで一括して調べられ、そのうえ最寄駅も地図もすぐ出るあの簡単さ見習ってほしいよ。

香港からの移動は地下鉄で。九龍塘站(駅)で東鐵線 (East Rail Line) に乗り替えたら、そのまま終点の羅湖に行くだけ。九龍塘から34分しかかかりませんでした。羅湖駅を出る際にイミグレがあったけれど、外国人専用だったので時間もかからずすんなり通過。(なお、帰りはぞろぞろ歩く人の後をぼんやりついて行ったら中国人専用イミグレに連れて行かれちゃった。外国人用はその下の階でした)それより出てから両替所を捜す方が手間取りました。構えが地味でオープンすぎて、まるでお荷物預かり所みたいだから気がつかなかったよ。

そこから地下鉄、深圳地铁1号线(2008‐2013までは罗宝线という名称)に乗り、3駅めの大剧院站で下車。料金は2元、時間はわずか5分。あらかじめ出口を調べてあったのでB出口へ。不測の事態に備え時間をたっぷり取ってあったので余裕で目的地京基百纳空间(KK Mall)に到着しました。てっきり大きなショッピングモールなのかと思ったら、結構手狭で拍子抜け。ここの4階にあるUA院线(UA KK MALL)が選んだシアターです。劇場サイトではカード可とあったのでチケットはクレジットカードで買うつもり・・・でしたが、チケットカウンターに行ったらVISAもMASTERもAMEXも使えず大陸のカードしか使えないことが判明。ええええええ、そんなんあり???想像もしなかったよ!意地でも外国企業のクレジットカードなんか使わす気がないんだな、中華人民共和国っ。

羅湖駅で香港ドルからごく少量しか両替をしなかった私は来た道をメトロ大剧院駅まで引き返し、そこでクレカで現金が引き出せるATMを捜したら、沢山あるマシンのどれも、これまた大陸のカードしか使えない。くっそう、そこまで調べてなかったぜ!

途方に暮れた私はまたショッピングモールに戻り、入口で暇そうに立ってる警備員のお兄さんに翻訳サイトを使って「VISAでお金をおろしたいが、どこに行けばいいのか」と尋ねた。彼は近くにBANK OF CHINAの支店があるとそのATMまでわざわざ私を連れて行ってくれたのでした、ありがとう!ハンサムさん。

そんなこんなで、1本目に観る予定だった『西遊記之三打白骨精』には間に合わず。ソード・オブ・デスティニーを到着ギリギリのスケジュールにしとかなくてよかったわ。ふぅ。

とはいえ、チケットを買ったら微妙に時間が余ってる。どっかのカフェで朝ごはんなど食べようと考えてたのですがモール内の飲食店はまだオープン前。外に出てみたら、1本道路を隔てただけで急にドローカルな世界が広がっていたのでした。その佇まいは自分の知ってるごく一部の香港とも全然違う。深圳って都会なんだとばかり思ってましたよ。

とりあえず、迷子にならない程度にウロウロ歩きまわって開いてる店の一番客の多いところを選んだら小汚い北方水餃子の店。味は普通、でもびっくりするほど安かった。どれくらい安かったかというと、2品でモール内にあるコーヒーショップのカプチーノ29元より安かった。

店のおばちゃんもお客さん(近所の若い衆といった男子しかいなかった)も、突然外国人が女ひとりで朝っぱらから水餃子とジャージャー麺を完食する気もないのに意地汚く頼んだのに驚いたのか、席に着いた私を見て固まってました。なんだよ、君ら日本人見るの初めてじゃないでしょ、ああん?

と、映画を観る前にすでに長文になってしまったのことよ。なので作品については次回に。
続く、のだ。

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大自然說話: 甄子丹聲演「珊瑚礁」- ドニー・イェン

俺を殺すんじゃねぇ!とドニーさんかく語りき

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コンサベーション・インターナショナル (Conservation International Foundation)という地球上の生物多様性を保全し、人間社会が自然と調和して生きる道を具体的に示すことをミッションとして設立された国際NGOがあります。

そのキャンペーンのひとつとして、『Nature Is Speaking​~自然は語る~』と題されたショートフィルムを制作し、豪華ハリウッドスターをナレーションに起用し“Nature doesn’t need people. People need nature.(自然は、人間を必要としない。人間には、自然が必要。)”というメッセージを、自然を擬人化した視点で語りました。

その中国語版がこのほど出来上がり、なかでドニーさんがサンゴ礁の声を担当しております。
「俺を殺すんじゃねぇ!」という言葉で締める(いや、本当は穏やかな口調ですが)、広東語のサンゴ礁の声に耳を傾けてください。

↓実はこれには普通話版もあります。
CI保护国际基金会呈现 的“大自然在说话”第二季系列公益影片“珊瑚礁”中文版

録音風景を収めた記事
甄子丹为“大自然”献声:请停止伤害地球生命

中国語版には、トニー・レオン、シルビア・チャン、ジョウ・シュン、タン・ウェイなども参加。
Nature Is Speaking: Hong Kong Is Listening

トニー・レオンの冰(氷)、すごく素敵です。

日本語版も作りませんかねぇ。

コンサベーション・インターナショナル・ジャパン

おまけ:シンガポールの朝の番組First Look Asiaで受けたイップ・マン3とソード・オブ・デスティニーについてのインタビュー(英語、 インタビュアーAnnalisa Burgos )↓

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ついでに、「昂坪(NGONG PING)360」に乗って葉問體驗館にも行ってみた

おそらくこんな事でもないと、一生乗らなかったかもしれないゴンドラリフト。体験館では勢いで写真を撮りまくり。

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まずは葉問3、第35回香港金像奨に作品賞、そして監督賞ノミネートおめでとうございます。
他にも、マックス・チャンが助演男優、ウーピン先生動作設計、撮影、編集、音響効果、視覚効果と8部門にノミネート。発表は4月かな。

さて本題です、ランタオ島の天壇大仏参道に葉問3の公開に合わせて「葉問體驗館」なるものが限定でオープンしたというので、ここはひとつ!と寄ってきました。

午後、東湧まで行き覗いてみたら、ゴンドラチケットを買う人の気の遠くなるような長い列が出来ていて一体どれくらい待てばいいのか想像もつかない。さすがにこれは時間がもったいないと諦めるしかなかった。
観光地、ナメてたわ・・・。

事前予約しないと厳しいのかと、帰り道の地下鉄でオフィシャルサイトを覗いたらその時点で翌日の午前中のチケットの予約がソールドアウト。
・・・か、観光地、ナメてたわ!

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が、そうなると妙に行かなきゃいかん気になって(依怙地な性格)翌朝気合を入れ、オープン20分前に着いたらすんなり乗れました。
観光地、かわいいじゃないか!
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本当は『狼たちのノクターン<夜想曲>』でニック・チョンとサイモン・ヤムが戦った床までガラス貼りのクリスタルキャビンに乗りたかったのだけど(その様子はこちらで)、その日はあいにくのお天気で、迷わず料金の安い普通のキャビンにしました。案の定外は霧に閉ざされており、まったく景色が見えず。

着いたら、普段はショーをやってる劇場にはこんな看板が。
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この参道の先に世界最大の野外大仏があって本来はそれを観光するのですが、こちらは時間があまりない。ので、体験館のみ。もっと大きいのかと思ったら案外小さい会場だったという。
入場チケットは下であらかじめゴンドラと一緒に購入するかセットになったものを買うか、このヴィレッジで買い物したり飲食した100ドル以上のレシートとゴンドラチケットがあればそれでも入場可。とりあえずこの場では買えない仕様です。
↓詳しい情報はこちらの注意書きで。
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ぶっちゃけガランとしたホールに衣裳と小道具がちょこっと飾ってあるという地味な作りでしたが、せっかくだからと写真を撮りまくる事に。
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最初はあまりに熱心にガン見する私を警戒してバイトのお嬢さんがピッタリついてたくらい(笑)。
いや、あやしい者じゃありませんてば。そのうちお嬢さんにシャッターを押してもらいがてらお話しをば。私が葉問3を香港に観に来たのだと分ると、かなり驚きつつ急に親切にしてくれたりしました。
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上手く保存できずにモタモタする私に、自分のアプリを紹介してくれてDLの手伝いまでしてくれちゃったりして。ありがとう、なーんていい子なんでしょうか。
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タイソンのマネキンが小さすぎて、彼の衣装という実感がわかなかった、残念。
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で、ここで葉問アプリを利用してこーんな写真も撮れたりもする。どや!
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が、なんといってもここは衣裳ですよ、衣裳。
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マックス・チャンがラストバトルで着用したシルクの上下。ipman3-65

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イップ師父は造船所に殴りこんだ時の。
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できたら、長袍を間近で見たかった!これを選んだ人は分ってないよ!

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で、師父に蹴っていただく写真も撮ってしまいました、わははははは
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かなり長時間いたと思います。で、葉問アプリから撮れる写真を途中からお嬢さんと交代したバイトの青年、最初はテキトーなアングルでやっつけてた彼でしたが、私が細かくリクエストするうちにスイッチが入ったらしく、自らテイクを繰り返し最後はなかなかいいショットが仕上がりました。どうもありがとう!お客さんいない時間でよかった。
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↑あまりに頑張ってくれたので、記念に写真を撮らせていただきました。多謝!!

この体験館、2016年2月21日まで公開。ゴンドラリフトだけで片道20分くらい乗るので、行かれる方は充分時間をとっておいで下さい。
オフィシャルページ(多分公開終わったらリンク切れになると思う)

この冬は異常気象で1月には香港や台湾でも雪が降り、ニュースになったりもしました。
その日も気温が低く、まして頂上はとても寒かった。
帰りのゴンドラではカナダからきた青年とフィリピンのご夫婦とご一緒。カナダ人があまりに薄着だったので「寒くないの?」と聞いたら「これくらいTシャツで充分」とドヤ顔。寒さの基準が違う人は平気らしい。フィリピンのご主人は「寒くて死にそう」と震えていました。ですよね。

最後に、新しいメイキング映像がありました。まずはタイソンとの新しいアクションメイキング

↑このバックにかかってる曲が、川井憲次さんのマエストロのテーマ新バージョンです。

↓こちらは鼻を怪我した様子を、取材陣に再現して見せるドニーさんとマックス・チャン。

怪我をさせたほうのマックスさんバツが悪いでしょうが、お付き合いありがとうございます。ええお人や。いや、100パーイヤミも悪気もないんですよ、単に俺様の苦労話の自慢ですから。

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葉問3 イップ・マン3(ネタバレ:4)@HK-ドニー・イェン 甄子丹

葉問3 ネタバレ :香港劇場編

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今回香港で観た感想としては、とにかく色んな年代の人が来ていたということ。オールド功夫ファン、夫妻、若いカップル、親子連れ、母と娘、そして若い男性グループや女子高生の友人同士。日本のドニー映画では見かけることのない多種多様な観客にまず嬉しくなりました。

今まで何度か香港でドニーさんの映画を見ていますが、ここまで文字通り老若男女で満席になった作品は初めてです。そして感じたのは、みんな葉師父にすごく親しみを持っており、当然のことながらそれまでの師父の道のりをよく理解している、ということ。

幼い葉正が友人に「遠慮せずに食べて!」と母の言葉を繰り返すと「Kawaii~(日本語)」と女子がボーイフレンドに呟く。アクションが始まれば、「嘩!」と隣の女子高生が女友達の手を握る。そしてその無双ぶりが激しくなればなるほど彼女たちは笑いだす。そう、自分もそうだ。笑わずにはおれない。だってすごく楽しいもの。

そして電球を替えたばかりの電灯をつけて「ほら直ったよ!」と嬉しそうな夫に「もう寝るんだから消して」と、にべもなく妻がかける言葉に客席からどっと笑い声が起こる。みんな彼女のツンデレぶりも承知の上、そしてその妻に頭の上がらない夫を好ましく眺めている。観客にとって葉家は近所に住む「師傅一家」と思ってるようにすら感じてしまいました。

それほど、ウィルソン・イップ版葉問はみんなに愛されている映画なのだと肌で感じることができてとても嬉しかった。

また、この葉問3という映画の魅力として、精いっぱい「香港映画」を作ろうとした心意気がスクリーンに満ちているということもしみじみ感じました。

今作の香港バージョンには普通話を話す人は誰ひとり登場しません。当然大陸系の俳優も出演していますが全員、あのマイク・タイソンですら英語に混じって広東語を話します(タイソンの広東語の部分やリン・ホン以外の大陸俳優は吹き替え、マックス・チャンは香港の声優雷霆が担当)。当時の香港の雰囲気を再現したいという制作側の思いが、観ているこちらにとても心地よかった。

私には到底分りませんでしたが、脚本家のエドモンド・ウォン(黄子桓)によると、台詞も現代とは違う当時香港で使われていた言い回しなどがふんだんに出てくるそうです。(と、一方でわざと最近の言い回しもちょこっと出たりして笑いを取ったり)

おもしろければ声を出して笑い、言いたいことは隣の連れに声をかける。今回何度か劇場で観ましたが、いずれもいい客筋にあたって自分はラッキーだったと思います。

それまで、遠慮なく電話していたオジサンも、斜め前方で何度もスマホをいじっていた兄ちゃんも、永成が癌と分ってからはパッタリいじるのをやめました。

そして葉問と永成の最後の時間を固唾を飲んで見守り、彼女の最後の願いと、最愛の妻を救う事の出来ない夫の無力感をにじませた背中に涙する。男も女も関係なく、劇場のあちこちで多くの人が泣いておりました。

1960年、妻永成は癌のためこの世を去った ――
ひとり武館の椅子に座り、遠くを見つめる師父のショットに川井憲次のマエストロのテーマが重なり、エンドロール。

とたんに、「ハイハイ」とばかりに席を立ち、お喋りしながら出口に向かう人々。
えええ?さっきまで泣いてたじゃーん!あんたらー!

それもまた香港人、なんでしょうな。

川井憲次さんのマエストロのテーマをちゃんと聴いておきたい+エンドロールを色々確認したい自分は、客がいなくなり掃除の人が入ってきて掃除を始めるのも気にせずに最後の最後までずっとその場におりました。

IMDbにはアクションコレオグラファーにドニーさんの名前がありますが、クレジットでは登場しませんでした。反対にそこにはなかったタイのコレオグラファーのクレジットがあったり。が、残念ながら覚えきれなかったのでソフトになったら確認したいと思います。今回IMDb、HKMDBともに虫食いだらけでアテになりません。両者とも今後情報の補充を望みます。

アメリカ公開に合わせて、むこうで精力的にプロモ活動をしたドニーさん、インタビューによるとタイソンとの撮影時にはウーピン師匠とタイソンとの間に入って通訳兼武術指導助手の役割を果たしたとか。

「自分はウーピンのやりたいことがすぐ分るし、それを勝手の違うタイソンに言葉で伝えることもできるから、ずっと間に入ったよ」とのこと。これをもってIMDbにアクションコレオグラファーと書かれたのかも。まぁそれ以外でも、ウーピン師匠とはいえ、ドニーさんの事だから絶対にアイディアは出しているでしょう。想像はつきます。

このヒットにより今後、タイソンを大陸のアクション大作に出そうとする動きがあるやもしれませんが、それが成功するかどうかは恐らくこの映画のようにうまくコミュニケーションがとれるかどうかが鍵になるのかも。なにしろドニーさんは不足なく英語で伝えることができ、かつ優秀なアクション監督ですもん、なかなかそういう人材はいませんよね。

そして、それこそドニーさんの大きなアドバンテージでもあります。このあとアメリカ映画に出ようが、他の国の俳優を自分の作品にゲストで呼ぼうが、バッチコイ。
次は何を撮るんでしょうね、楽しみです。

↓映画館で買い求めた葉問3充電器
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最後に、この葉問3のプロデューサーでもあるレイモンド・ウォン(黄百鳴)は今年春節映画を新たに作らず、1992年の大ヒット春節映画『家有囍事(ハッピー・ブラザー)』のデジタルリマスター版を上映することにしたようです。予告がバンバン流れておりました。思いかけずレスリーの姿を見てグッときたのは言うまでもありません。どうやら彼のをはじめ、10分にも及ぶ未公開シーンを加えたそうで。くわしくはこちらの記事を

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葉問3 イップ・マン3(ネタバレなし2)周辺よもやま話-ドニ-・イェン 甄子丹

頭の中がまだ葉問3でいっぱいなので、よもやま話を残しておく(ネタバレ関係なし)

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葉問3、アジアでの大ヒットおめでとうございます。いやぁ、よかったよかった。
最終的な集計はこのずっと後でしょうが、台湾ではわずか10日で1.6億越え、香港ではついに歴代華語映画興行成績のTop10にランクインしました。チャウ・シンチーや成龍やチョウ・ユンファとタイトルを連ねるなんて胸熱です。地味だ、アクション要員だ、ナルシすぎてついて行けない、と過去さんざん言われたあの、ドニー・イェンが、ですよ。
にしても堂々1位の『あの頃、君を追いかけた』はお化け映画だったんですねぇ。あらためて感心。

このヒットで、ネット上でもレビューだのパロディだのが賑やかに踊っております。こういうのが多いというのがメガヒット作品の証。
なかでも劇中で葉師父が言った台詞「最重要的是陪伴在你身邊的人」は「我要打十個」に近い名文句として今後も語られそうな勢いを感じます。

で、そんな中から、いくつかご紹介してみたいと思います。

公開直前に、マレーシアのモバイルプロバイダTune Talkが葉問3とコラボしたCMを制作。序章の空手道場の完コピが、ものすごくよくできております。マレーシアでは公開直後にすぐ歴代華語映画(マレーシア国内映画を除く)の記録を破りました。

残念ながら、2でウォン・レオン(黄樑)役で登場したホァン・シャオミン(黄暁明)は出演せず。一番弟子の彼の成長を期待していたのは誰しもが同じだったようで、さっそく「なぜシャオミンが葉問3に出なかったか」という動画が作られました。

どうやら、アンジェラ・ベイビーさんとの結婚式に「宇宙最強」を呼ばなかったのが理由らしいです(笑)。最後には葉問4のアイディアを語る師父、シラットかい!

その葉問4のラスボスとして名前が挙がっている人がいます(笑)。2に続き、葉問3にもカメオ出演したロー・マン(羅莽)は、どことなくいじりたくなる俳優の1人の様で(とってもよくわかる)「【葉問4:決戰羅莽】製作特輯」と題したこんなのも作られました。

羅莽360°、羅莽280°なーんて技名がイカシてます。で、ドニーさんのインタビューアップの横にある名前クレジットが、宇宙最強Donnie Yen→宇宙最強?Donnie Yen→宇宙第ニ強Donnie Yenと徐々に変化しているとこも芸が細かい(笑)。
この動画が発表されて以来、「葉問4になったら今度は何と戦うんだよ」というコメがあると、速攻「羅莽、羅莽」と突っ込みが入るようになりました。

ちなみに、ロー・マンさんはショウブラザーズ、チャン・チェ監督作1978年『五毒』で主役の1人を演じ、武打星として数々の功夫映画で活躍。のちに『エボラ・シンドローム 悪魔の殺人ウイルス』のようなエログロ系の三級片(18歳未満禁止映画)などでも怪演ぶりを披露。今やTV映画でアクの強いバイプレイヤーとしてしょっちゅう顔を見かける俳優となりました(むしろ、葉問での本格功夫シーンの方が最近では珍しかった)。その存在感は独特で、たとえばシューティング・ゲーム『GEARS OF WAR(ギアーズ・オブ・ウォー)』の香港PRとして作られた5分のムービで、主役のマーカス・フェニックスを哀愁たっぷりに演じていたりもします(これなんだかすごく味わいがあるんですよね、是非ご覧ください)。

そんな彼が「羅莽、羅莽」とちょっとした流行語のように語られるのもむべなるかな。

おまけは、プロモでラジオ番組に出演したドニーさん、香港の人気タレント甄子康さんに詠春連打をおみまいだい。いいなぁうらやましいぞ!

↑一緒にいる女性は『タイガー刑事』でも共演したドゥドゥ・チェンさん。

Mtime.com

パロディ動画は玉石混合、ここにあげたのはほんの一部。今後はもっと作られるかもだし、半年もすればプロの作った映画でも葉問3のパロディが登場するかもしれません。

あ、突然追記、いつの間にか決まっていた、来月2月26日よりネットフリックス・ジャパンでグリーン・デスティニーの続編『ソード・オブ・デスティニー』が配信されます。それを記念して、無駄に飛んでる(笑)ドニーさんとミシェール・ヨーお姉様のお写真をば。ドニーさんにはいくつになっても飛び続けて欲しいっす。

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葉問3 イップ・マン3(ネタバレ:3)@HK-ドニー・イェン 甄子丹

このイップ・マン3を完璧な完結編だと、私が思う理由

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さっきまで谷垣健治さんとラインで真夜中の長話。谷垣さんもこのお正月香港でイップ・マン3を4回ご覧になったらしく、少しそんな話も出来ました。
 
「とってもウィルソン・イップらしい映画でしたね」と感想が一致。ウーピン先生のアクションに関しては「さすが」というのと「これでOKなの?」と思うのとが混在していたかもというご意見。おっしゃる通りでございます。

この大ヒットにより、すわ続編制作か?と早速色々報道されているようですが(プロデューサーのレイモンド・ウォンはすぐにでも撮る気マンマン)、ドニーさんご自身は、武侠物とか現代アクションは当然今後もやるつもりだけど「これを自分の最後の功夫映画にしたい」と宣言しております。理由は「イップ・マンを超える役など考えられないから」。

アクション映画の続編というと「どんどんスケールが大きくなってしまう」という不文律に陥いることが多いなか(それに乗ってしまうと最後には師父が侵略してきた宇宙人と戦うしかなくなってしまいますもんね)、1作目は日本軍、2作目は宗主国のボクサーときて、3作目で大きく舵を切り、地域、家庭、夫婦という実に身近なところを主題に選んだという点は、ウィルソン・イップの大手柄。本当、この人が監督でよかった。

と同時に観ていて感じたのは、あらためて「今功夫映画を撮るって難しいんだなぁ」ということ。
単純にアクションが素晴らしいだけでは、ここまでのヒット作にならないし、幅広い観客に受け入れられるためにはキャラクターストーリーともにデキが良くなくちゃいけません。まして中華圏だけでなく、より多くの文化、国の観客を対象に広げれば(この葉問シリーズはすでにそういうコンテンツになっていると思います)、近代という時代背景も相まって敵の設定がかなり難しくなる。

じゃあ、他の功夫流派と闘えばいいじゃないのといっても、実在する詠春拳葉問派だけに、それはそれで負けた流派の関係者から不満が出るでしょう。闘うためには、敵を敵たらしめる「悪」でなくてはいけませんからね。詠春拳以外の流派の反感を買うのは得策ではありません。

今回ゲストの目玉であったマイク・タイソンが、自分の養女にとってはいい父親であり、また自ら決めた「1ラウンド3分勝負」を守る実はとてもフェアな人間であったことは、スーパースターマイク・タイソンにかなり配慮した立ち位置。

タイソンがその拳で割ったガラスの破片が、階下にいる娘の乗った三輪車についた赤い風船の紐を切り、風船が飛んでいくとこなんかウィルソン・イップでしたねぇ。そこへ3分のベルが鳴り、瞬間にフリーズする葉問とタイソン。なかなか小憎い着地でした。

3分勝負が引き分けに終わり、無言でその場を去る師父。タイソンの方は「風船が飛んで行っちゃったの」と言う娘を抱きあげ「行かせておやり、風船はまた新しいのを買ってあげるから」と答える。これは、葉問に「お前(の守る地域)にはもう手出しはしない」という彼なりの返答。いい役だったよ!タイソンさん。

ただ残念ながらこの点で、アクションは物凄くいいのに、アクションの仕上げに当たる爆発的なカタルシスを得ることは難しかった。そこは同門のマックス・チャンとの闘いでも同じように思いました。ここまで悪人の登場しないアクション映画も珍しいかもしれません。その分、悪役として孤軍奮闘したのがパトリック・タムで、それゆえ彼が今作の陰のMVPだったと自分は言いたい。

葉問という人物を描けば描くほど、敵と、闘いの意味はさらに重要になってくる。葉問という功夫映画はこのパラドックスを常にはらんでいるのだと強く感じた次第です。

妻の死、同門の勝負、武術家として葉問が至った境地。今作はかなり禁じ手を使った感があります。だからこそ制作陣の「これで完結!」という気概が充分に伝わってきました。

この作品をもって功夫映画を最後にしたい、そういうドニーさんの気持ちが痛いほどわかる、それこそ、私がこのイップ・マン3を完璧な完結編だと申し上げる理由でもあります。

↓まるでイップ・マンとブルース・リーの写真ようなドニーさんとウィルソン・イップ監督
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と、締めつつも、言う事コロコロ変わるお人なので、舌の根も乾かぬうちにシレッと葉問4や功夫映画に出ても驚かないですけどね(笑)。そういや、ブルース・リーとの本格エピソードもまだ残ってますわ!ネタはあるぞ。今度こそ権利関係をクリアして、今頃は再びCGIブルース・リーをレイモンド・ウォンがやろうと目論んでいるやもしれません。

そういえば、香港では葉問3の特別写真集を売ってました。買いましたよ~。ipman3-12

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↑ARでこんな写真が撮れたりする

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葉問3 イップ・マン3(ネタバレ:2)@HK-ドニー・イェン 甄子丹

これは、本編を観るまでは絶対に読まないことをおすすめします:ドラマ篇

「このまま時が止まって欲しい」人は何度そう願うでしょうか。

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この葉問シリーズで、3作目の今回が一番ウィルソン・イップ監督らしい作品に仕上がってる気がする。彼の監督作で好きな映画に『オーバーサマー爆裂刑事』と『ジュリエット・イン・ラブ』がありますが、ご本人が「本当はラブストーリーとか人間ドラマの方が作るの好きなんだよね~」と話してるのを読んだ時も、そうだろうなぁと納得してしまいました。

そんなウィルソン・イップとドニーさんの5年ぶりの新作は、実在した葉問という人物をモデルにしながらも、ショウビズ界において完全にヒーローアイコンと化した「葉問」が主役の、新たに創作された映画。当然のことながら1ミリたりとも実話ではありません、念のため。

なにしろ『序章』『葉問』にいた長男、葉準すらここには登場しない。冒頭のクレジットで「長男準は、故郷佛山に勉学のために戻った。」と一言さらりと説明があるだけ。おいおい、初見でそれを見逃したために「なんでお兄ちゃんがいないんだ????」と私はかなりうろたえましたよ。
今回そのポジションには次男葉正が、前2作の葉準と同じくらいの年齢の姿で登場します。なんだかんだ葉家にはこれ位の子が一番バランスがいいという事なのでしょうね。

オープ二ングは、お約束、葉問が叩く木人樁から。音楽はこれまたお約束、「葉問 マエストロのテーマ」を川井憲次さんが大河ドラマ風にブラッシュアップ。背景はどうやら師父のご自宅のようです。2に比べて暮らし向きは格段によくなったよう。あれからお弟子さんも増え、ちゃんと稽古代ももらえているのが想像できます、よかった!
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と、葉問がひとり無心に打つところへ、一匹の蝶が舞いこみ、木人樁のてっぺんで羽を休めます。ふと手を止め、その蝶をじっと見つめる師父。

このオープニングロールは、ファンが何度も映画を観るとわかっていてウィルソン・イップは作ったよね・・・。2度目からはオープニングだけでガン泣き。何度観てもまんまとその策略に乗ってしまうわけですよ、もお。

舞台は1959年、香港で詠春拳は知られるようになり、武術界からも街の人達からも一目置かれるようになった葉師父。ある朝、武館で盆景(盆栽)の手入れをしているところ、ドアを開けて「葉師傅?」と1人の青年が入ってきます。
「覚えてます?俺の事。子供のころ、大きくなったらまた来いと言われたんすよね」

おおおおおおおおお、ブルース・リー !!!!!!

のっけから登場するとは、びっしり席の埋まった香港の劇場でも誰ひとり想像してなかったので、どよめきが起こります。

ここのやり取りの一部はすでにクリップが上がっているので、あの感激はこちらでもう一度どうぞ

煙草の次に師父がカップの水をブルースに向かって放つと、ブルースがこれをキック。しかし水は形あるもののようにはいきません。
そして「さっきの水を君は蹴り返せると思ったか、出来ないと思ったか?」(というような多分感じ)と一言。立ちあがると黙ってドアを開けます。くやしそうな表情でそのドアを出てゆくブルース。それを見送った師父の悟った微笑。

ブルース・リー、水とくればどうしたって

Empty your mind, be formless. Shapeless, like water.

から続く名言を思い出しますよね。まるでその後の彼の哲学を連想させるようなこのシークエンス。ううう、もうね鳥肌が立ちました。

今作のドニーさんの演技としては、ここが一番すごかった。いや、いつもの飄々とした柔和な態度なのですが、決して前面に出すわけではないブルース・リー信者としての自負を内包した演技だった、とでも申しましょうか。
世界広しといえど、陳真と葉問両方を演じた男は彼しかいません。このシーンだけで、ドニーさんが葉問という役に巡り合えて心からよかったという思いを新たにいたしました。いやあ、ウィルソン・イップ、ほんっっっっっとうにグッジョブ!!

続いて、ウィルソン・イップらしいと思ったのは時折混じるユーモア。特に小学校の先生であるカリーナ・ン(吳千語)と葉問の弟子ルイス・チョン(張繼聰)や、葉師父とその妻永成との男女間のやりとりが面白い。1作目2作目と少し上品すぎるきらいもあったこの夫妻が、苦難を乗り越え時間を経てより夫婦らしくなったことを、とても嬉しく眺めました。

さて、お話は、悪いデベロッパー(マイク・タイソン)が息子の通う小学校を地上げしようとしたり、その手下パトリック・タム(譚耀文)が校長(これがチャウ・シンチーの「食神」の夢精大師ことタッツ・ラウ(劉以達)でね、彼の登場アップだけで観客大笑い)や学校を襲ったりそれを阻止した葉問を逆恨みして息子正を誘拐したり、またムエタイ刺客が葉問を狙ったり。

息子の同級生のお父さんがマックス・チャン(張晉)演じる張天志。実は彼、葉問の師である陳華順の孫弟子にあたるいわば同門。大陸から香港に来て車夫をしながら男手ひとつで子供を育てている苦労人。息子に自らを「師父」と呼ばせまた自分は息子を「徒弟」と呼ぶ、まさに「武痴(武術バカ)」な男です。腕はあるのに金はなく生活と武館を開く夢のために闇試合で小銭を稼ぐという裏の顔も持っていて・・・というストーリーはまぁ置いといて(置いとくのかよ!)、この映画のキモは、癌に侵された妻永成とそれを知った夫葉問とのベタなラブストーリーにあります。

今回は敵方に明確な悪の基軸がなかった分(ゲストの目玉、タイソンはそれなりにいいポジションにしたという政治的配慮もありーの)正直アクションはすごいのに、残念ながらアクション的カタルシスはさほど強くはありません。が、それを補うべく夫婦の物語を後半のメインに持ってきました。

そうなったら、ウィルソン・イップの本領発揮。なにしろあの観客の涙を絞った『ジュリエット・イン・ラブ』の監督ですよ。永成の病気が発覚してからのこのハンドルの切り替えはびっくらこきました。でもいい、だからいい。

特に、2人のラブストーリーとアクションが混ざり合った対ムエタイ戦はお見事。夫は武館を放ったらかして連日妻に付き添って漢方医や薬屋に通います。脈を取ってもらう彼女を横から見守るしかない葉師父。
処方してもらった薬の包みを持つ2人を乗せたエレベーターのドアが閉まる直前、ムエタイ刺客が乗り込んでくる。男が前を向いたきりサンダルを脱ぐのを見るや、黙ったまま夫の持った包を受け取る妻。

このアクションシーンのなにがいいって、川井憲次さんの音楽が死ぬほど素晴らしいんです!

それまでに、永成のテーマとも言うべき新曲が何度かかかっています。彼女が癌と告知された時、それを地域の安全のため奔走する夫に言いだせないすれ違い、そしてやっと夫に自分は癌であると告白する場面。このアクションシーンではそんな彼女のテーマ曲と、お馴染みマエストロのテーマをアレンジしたファイティングナンバーのメロディが交互に主旋律を奏でるわけです。

曲は今後の流れに黙って身を委ねようと思わせるに充分でした。2人のテーマが絡み合うメロディに気がついた時、このシーンの持つ意味が一層重みを増すという仕掛けです。

小さなエレベーターの中で妻を守りながら刺客に立ち向かい、一瞬扉が開いた隙に敵を蹴り出し、すかさずエレベーターのドアを閉める。彼女は安全、そう思ったらあとは思い切り無双するしかないでしょ。あたらめて敵と対峙する葉問の姿に畳みかけるような師父のメロディ。卒倒しそうなほどかっこいい。戦いながら階段で下に降りてゆく男2人、そして1階でようやっと倒した男を横目に、妻を乗せたエレベーターの位置を確認すると「行け」と男を追いやります。

男が去って行ったのを確め振り返った師父は夫の顔に戻り、着いたエレベーターのドアを何事もなかったように開ける。その時の永成の安堵した表情と、足元に落ちた包を拾い妻の手を握りエレベーターを降りる夫。なんという素敵なラブシーンでしょうか。

先程、明確な敵がこの映画には存在しない、と書きましたが、監督ウィルソン・イップが第1作のテーマを「生存」、2作目「生活」、第3作は「生命」と語った通り、本当の敵は「限りある命」でした。どんなに無双な葉問でも残酷な真理の前にはなすすべもありません。たとえそれが一番愛した人であっても。

妻永成を演じたリン・ホン(熊黛林)は、この作品で女優として素晴らしい存在感を示しました。広東語の台詞も今回は恐らく彼女自身が喋っております。
夫妻が病状を聞く場面では、絶妙な構図になっており、まぁそのショットの麗しいこと。こんな美男美女の夫婦ってどうよ、と突っ込むのも忘れて見惚れてしまいました。

そんな危機をよそに、張天志が、デベロッパーの手先となって稼いだ大金で立派な武館を開き、「どちらが詠春拳の宗師に相応しいか決着をつける」と葉問と公開試合をすることをマスコミに宣言。

しかし葉問にとってそんなことはすでにどうでもいいことでした。彼は妻のためにダンス、チャチャを習いに出かけます。そしてそのダンス教室でブルース・リーと再会(彼は実際ダンスが得意でチャチャコンテストで優勝したこともある名手)。
「なんで、あの時俺を弟子にしてくれなかったんだ?」という問いに、師父は「私は弟子にしないと言った覚えはない、ただドアを開けただけだ。出て行ったのは君の方だろ?」と答えます。

そこへ「あのダンス教師より俺の方がずっとうまい。教えるから、俺を弟子にしてくれ」というブルース。かくしてここで伝説的師弟の誕生と相成りました。このあたりのいきさつも、葉問と李小龍との微妙な本来の関係性を、誰のイメージも壊すことなく表現していて「うまい!」と唸りました。

いよいよ公開試合の日、真新しい武館では張天志をはじめ武術関係者新聞記者たちが葉問の到着を今かと待ち受けています。そして現れない葉問に張天志の勝利が宣言されるわけですね。
同じ時、葉問は妻とダンス教室でチャチャを踊っていました。この2人のダンスがほんとう可愛くって可愛くって。私はあやうく萌え死ぬところでしたよ。

しかし病魔は2人の楽しい時間を無残にも切り裂き、永成はその場で倒れ病院に入院。日に日に弱ってゆくなかで「あなたと写真を撮りたい」という言葉に、それまでどんなに失意の中にあっても決して流すことのなかった葉問が思わずこぼす涙。

もうね、ここで私の涙腺も決壊です。ウィルソン・イップめぇぇ、ジャン・ユーといいサイモン・ヤムといい、なんでそんなに不治の病が好きなんだよ!

写真を撮るシーンでは、ラフマニノフのパガニーニのラプソディーを聴いただけでグッとくる条件反射を私に刻み込んだ恋愛映画の傑作、『ある日どこかで』を彷彿とさせるショット。反・則(涙)。

写真を撮り終えた夫妻は、妻の願いで武館へとやってきます。
木人樁を前にたたずむ永成。「久しぶりにあなたの打つ木人樁の音を聞かせて・・・」と言う妻に(涙)ゆっくり立ち上がって木人樁を打つ師父の手が、途中で止まるんですよね。その背中が(涙)。

人は人生で何度「このまま時が止まって欲しい」と切望するでしょう。この時2人は心からそう願っていたに違いありません。

「 もし、私が病気でなかったら、あなたは張天志の挑戦を受けたかしら?」
長い間合いの後、絞り出すような声で葉問は答えます。
「・・・ああ」
「それでこそ、私の愛した葉問よ。
ごめんなさい、あなた。私、勝手に張天志に試合をもう一度してもらえるように手紙を出したの・・・行きましょう」

そして永成を連れ、張天志の武館に赴いた葉問。妻は2人きりの勝負を壁の向こうで聞いています。それはかつて道場破りが乗り込んできた佛山の自宅でしたみたいに。

勝負は、六點半棍、八斬刀でも決着はつかず、いよいよ徒手に雪崩込みます。
そして薄氷の勝利をものにした葉問が踵を返したところで、張天志が「詠春正宗(正統派詠春)」と書かれた自らの看板を叩き落とし「俺は敗北を認めない恥知らずじゃない」と自らに言い聞かせるように語りました。
それを見た師父は一言だけ声をかけるのです。
「あなたのそばにいる人こそが、最も大切にすべきものだ」
その言葉を聞いて、壁の向こうで嬉しそうに微笑む永成。
そして父親の勝負を陰から見ていた次世代を担う互いの子供たち。

これが、ドニー・イェンの葉問シリーズの完結編になったとしても私は何の文句もありません。
完璧です。
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1960年、妻永成は癌のためこの世を去りました。あの日「時よ止まれ」と強く願った武館の椅子に腰をかけ師父はひとりゆっくりお茶を飲みます。隣には座る人のいない、もう一脚の椅子が残されたままで。

さて次回は、総評になる・・・のか。続く、つもり。

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葉問3 イップ・マン3(ネタバレ:1)@HK-ドニー・イェン 甄子丹

実にウーピン師匠でした。アクション篇

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葉問シリーズの名にたがわず、3作目もアクションシーンはテンコ盛り。

私が一番気に入ったのは、タイソンの送りこんだムエタイの刺客とのエレベーターから階段の戦い。相手は、トニー・ジャーに似てるなぁと思ったら本当にトニーのスタントダブルを演じていたSarut Khanwilai というお方。こんな瓜二つの人がスタントダブルだなんて、トニーはなんてうらやましい。
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妻も一緒のエレベーターという狭い空間では、妻ウィンシンを守りつつ刺客と戦うという設定がしびれます。男を外に蹴り出し、すかさず妻の乗ったエレベーターのドアを閉める師父。そこから階段へと移動しながらのアクションは、美しくてとてもスリリング。にしてもウーピンさん、足のアップすっきゃねー!  ↓彼は特に斜め後ろの顔とかそっくり!
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しかもその男を蹴散らした後、妻の乗ったエレベーターを迎えるイップ師父の夫に戻る表情がいい。何事もなかったようにドアを開け、床に落ちた荷物を拾いウィンシンの手を取る。
イップ師父!なんていい男なんだ。

マイク・タイソンはまるでラストファイトを戦うかのような宣伝の仕方でしたが、案の定中盤のハイライト。『イップ・マン 葉問』におけるサモ・ハンとの円卓の戦いのような位置づけ。
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最初このカードがあると知った時「うわあ」と期待とも不安ともつかない気持ちになったことを覚えています。しかし実際は自分なんかの予想を遥かに超えたデキでうれしゅうございました。

そういえば途中で師父がしゃがんで人間業とは思えないようなものすごく高度なポーズをとっていましたが、あれは詠春のなにか動きなのでしょうか?それともオリジナル?音楽も合わさってまるで必殺技のような提供の仕方だったので、ドキドキしましたよ。

記事で読みましたが、ドニーさんは相手が映画慣れしていないということもあって、毎晩タイソンの試合の動画を見てはその足の動きと癖を頭に叩き込んだというじゃありませんか。案の定、タイソンさん振り付けを忘れちゃって勝手にパンチを出してきて、あわや脳天にヒットしそうになりスタジオが凍りつく瞬間もあったとか。

そうだ、短いながらあのレオン・カーヤン(梁家仁)のアクションシーンもありますよ!
70年代からここまでずっと一線で頑張っているかつての超アクションスター。武術経験がないながらも、サモ・ハンの映画でしごかれまくってその地位を築きました。現在もドラマ映画のバイプレイヤーとして活躍する彼の久しぶりの本格アクションではないでしょうか。

狭い蝙蝠傘店でのファイトは、傘が舞い埃が舞い非常に楽しかった。見ながら「アクション監督って、どこ行っても”ここで戦ったらどうなるのか”って考えるんだろうなぁ」とふと思ってしまいました。

彼以外も師傅役のカメオ出演が目白押し。
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毎度おなじみ甄家班のユー・カン(喻亢)と、『イップ・マン序章』では武術指導も務め、青龍武館館主としてルイス・ファンにしてやられたトニー・リャン(梁小熊)、また『イップ・マン 葉問』でイップ・マンと円卓で戦った猴拳師傅のロー・マン(羅莽)という顔ぶれ。それぞれ、マックス・チャン(張晉)演じる張天志に見事にやられまくってるお姿は必見もの(笑)。

さて3のラストバトルの相手は、『SPL2』の獄長こと、そのマックス・チャン。
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11歳で四川省武術隊に入隊、1998年にウーピンさんのアクションチーム「袁家班」に入り、スタントマンやスタントコーディネーターとしてキャリアを積み、『グリーンデスティニー』でチャン・ツィイーのスタントダブル、『HERO』ではドニーさんのスタントダブルも務めました。

2013年のウォン・カーウァイ監督の『グランド・マスター』においては、監督の「八卦掌はできるか?」の問いかけに、八卦掌の高手であった彼はすぐその場で実演、見事馬三の役を射止め(劇中では形意拳の遣い手)、この作品で香港電影金像奨の助演男優賞を獲得しています

そしてドニーさんもまた、言わずもがな元袁家班。師匠ユエン・ウーピンアクション監督のこの映画で元袁家班同士(しかも俳優と元スタントダブルだった立場の2人)が激突したわけでもあります。

前2作のサモ・ハンのコレオグラフィーとカメラワークが神懸かっていただけにハードルはもんのすごーく高い。さてはて、どんなもんかとワクワクしていたら、マックス・チャンはウーピンさんとの相性が無茶苦茶いい、小学校や造船所での多勢を相手にする姿にはホレボレ。さすがでございます。

詠春拳に関しては今回初めて取り組んだそうですが、とにかく彼の動きはとても見栄えがしてすごくカッコよかった。少なくとも過去私が観た彼のアクションの中で一番でした。ええ男やし若いし、今後のアクション映画を牽引する俳優になることを期待しますよ!

一方のドニーさんは、ぶっちゃけユエン・ウーピンさんとは実は相性はあまりよろしくないのではと感じてしまいました。特にワイヤーワーク。この辺りは好みの範疇かもしれないので、あくまでも個人的意見です。

あと、あらためて観てウーピンさんのアップショットとカメラ、編集は個性が出ますね。それこそ一流の証ということなのでしょうか?『グランド・マスター』ではウォン・カーウァイ監督の趣味が大いに反映してるのではと想像しておりましたが、『悪戦』を観た時に「いや、ひょっとして」と思ったことが確信に変わりました。濃淡こそあれ、すべてはThat’sウーピン師匠だったという。

に、しても、この詠春対詠春、加えて同門という実にミニマムな戦いを、これほど壮大なスケールでこの2015年に観るとは思いませんでした。しかも六點半棍→八斬刀→徒手というフルコース!すげー!こんなマニアックなことをアクションにするのはラウ・カーリョンだけかと思ってましたよ!

最終的には、『イップ・マン 誕生』にも登場した、詠春(中でも特に葉問派)の「目に頼らず感覚を最重要視する」という特徴を活かした流れからのワンインチパンチですよ。

たしかにサモ・ハンとの差別化を図るのはかなり困難だったと想像しますが、なんてマニアックなんだ。ウーピン師匠・・・渾身のコレオグラフ。

と、言うわけでネタバレ:2に続く。

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