冰封侠:時空行者(アイスマン2:香港・中国、2018年)@HK ー ドニー・イェン 甄子丹

ネタバレなし。
断言します。これはドニードニーランドのアトラクション映画だ。
超豪華で、しかもアトラクション映画として異例の87分もある!

この映画をひとことで表現するならば、

「アイスマン2、ヤバイ。」

なにがヤバイって、ドニーさんが知らない(承服しない)間に、一切のプロモーションもせず製作側が無謀にも公開しちゃったというからヤバイ。

そのうえ大陸での公開後、突如彼等が不入りの責任を主演のドニーさんに擦りつける声明を出したんで、かなりヤバイ。

声明はその夜のうちに削除されましたが、一方的に誹謗してきた製作側に対して、ドニーさんは即座に反論し法的措置をとると発表。

その件については記事のリンクを貼っておきます。

Donnie Yen makes legal strike against makers of terrible Iceman film
《冰封俠》公司3點批甄子丹扮大牌 「宇宙最強」霸氣20點反擊

簡単に言わせていただければ
『特殊身分』の時に「アホクサ」と中傷を相手にせず黙って仕事をしてたらとんでもない目に遭ったので、こうして素早く反応して動くことはいいと思う。

基本中華圏のスターはみんな個人事業主。日本のように事務所の力関係とか広告代理店が牛耳るなどあり得ないので、非常にトラブルが多いのが特徴。

ぶっちゃけ素人衆が手を出すにはドニー・イェンは劇薬ってことです。

さて、
そのようないわく付きなら観る気にならん、とか、ドニーさんが認めてないものを観るってどうなの?と考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、かつて李小龍の死後、どう転んでも駄作なんじゃと知りつつも『死亡の塔』のために劇場に足を運んだ人がどれほどいたとお思いでしょうか。ファンとはそういうものです。

「これは公開して一週間以内が勝負」という勘が働き、連続鑑賞ギリギリのタイミングで私は観ることが出来ました。

が、なによりヤバかったのはその内容。

まず

① 脚本がヤバイ

整合性やリアリティ、伏線回収など口に出すのもおこがましい(笑)。歴史おかしくね?とかSFとしてタイムパラドックスはどうなってんの?なーんてちらりとでも頭に浮かんだらその時点で負け。

主演をスケープゴートにしたプロデューサーのように、脚本の破綻を主演であるドニーさんの全責任と主張するならば、ハッキリ申し上げてそんな案を採用したほうが悪い。大人なんだから。

② これで完結するはずが、最後まで観てもワケのわからないヤバさ

「そんなこんなでオイラはタイムトラベラー」ってことでいいの?(これでも複数回鑑賞)
ひょっとしたら前作を知らないほうが混乱せずによろしいのかも、と思わせるほどにはヤバイ(笑)。

③ 絶対コレ、尺足りてないよね、と感じさせるのがヤバイ

劇中何度もインサートされる前作のダイジェストとナレーション処理が、ランタイム87分の苦心を物語る。撮影した素材をめいっぱい繋いだら、あ~ら不思議、

いつの間にかDY夢女子映画になったでござる。

ヤバイ。

④ 図らずもドニーアイドル映画として完成してしまったことがヤバイ

いまどきアイドル主演でも、ここまであからさまな映画は絶対に撮れない。普通プライドが許しません。

ドニー映画は常に、そこスレスレの部分がありますが、今回は過去作をはるかに凌駕。ドニーさんを狙ったショットのひとつひとつは大変に美しく、莫大な資本を投じたPVとして最高級。

そう、これはドニードニーランドのアトラクション映画。

正直ドニーさんは演技をしていないので(賀英どこいった?)、豪華ゲスト共演の「アトラクション映画」として極めてしまったのが本当にヤバイです。

⑤ 倉田保昭がヤバイ

倉田ファンも必見。倉田さんの近作(残念ながら『空手道』は未見)で比較すると、実質主役だった『戦神 ゴッド・オブ・ウォー』の方が映画やキャラクターとしてずっとマトモなため見劣りするかもですが、重鎮っぽく登場しながらそのまま重鎮で終わる勿体無い使い方ではありません。

出演シーンも多くアクションもしっかりあります。ヤバイ映画なので色々ワケがわからん事にはなっておりますけど、後半、この倉田さんとの闘いで私はチャラにします。

⑥ 前作あれほど小学生向きだったのに、続編になるといきなり残酷シーンが多くてヤバイ

冒頭夢を語る錦衣衛修行中の少年達が大人になり、何故そんなことに???
そして村ひとつ全滅しちゃいますからね。
「ウンコ、おしっこ、おならブー」の小1マインドからいきなりR15(個人の感想)への振れ幅のデカさがヤバイ。

⑦ 音楽もヤバイ

サウンドトラックを担当したのは江暉というお人。別名・江輝。ドニー作品の常連でないので非常に新鮮。彼のスコアがすこぶる良く、ある意味何度もこの作品を救ってくれました。

名前に見覚えがないので大陸の人かと思っていたら、実は香港人。しかも最近までTVBや香港電視網絡の俳優だったというじゃありませんか。そこから作曲家に転身。今後が期待できると思うとヤバウレシイ。

⑧ ドニーさんはこの続編を未完だと考えていたはず、と思わせるのがヤバイ

本当は何があったのか、資金が尽きたのか(ギャラも未払いやんけ!と反論で怒ってはりましたな)プロデューサーとは前編のときからトラブルが発生していたのか。

少なくとも、彼らが仄めかすように王宝強(ワン・バオチャン)の出番をドニーさんが削るような意地悪をするならば、その後主演の1人として推薦し実現した『カンフー・ジャングル』は存在しません。

アチラはまるで鬱憤を晴らすかのような動作設計だったよ?

宝強に関しては本来あそこからもうひとつ展開があったんだろうなぁ。人気者ですからね、契約スケジュールが切れたらお終いだし、そういう交渉は主演俳優はやりませんから。

結論

初見から、字幕を読むというかストーリーを追うことすら早々に放棄させるヤバさに、結果、一切ダレることなく観ることが出来ました。

お美しいドニーさん。老若男女から分け隔てなくモテモテなドニーさん。しかもドニーさんだけでなくサイモン・ヤムもめっちゃ悪男前でかっこいい。

お、そういえば雪ちゃんこと林雪も一瞬出るし、宦官役で陳観泰(チェン・カンタイ)も化粧して登場。


そして安定の母親思いのドニーさん。

ヒュッと矢のように飛んで、階下に落ちる女子を抱きとめ羽のごとく着地。子供達との港式ジャンケン勝負ではハイタッチしたり、村人と輪になって踊るヤバイドニーさんを是非堪能していただきとうございます。

脱水機みたいな時空の金球もふくめ、ひとつひとつの場面もおもしろい。

後半の「時空の歪み」ともいうべきシーン、そこがとても綺麗でね。最近あまりお目にかからなくなった久しぶりのシークエンスもあり、めちゃヤバかったです。ラストバトルは映像もあわせて楽しんでください。

なにしろ、この私が連続鑑賞にもかかわらず、一瞬たりとも寝なかった。それって本当にヤバイんですって。

多くの人の心にある、ドニードニーランドで結構な人気になっても驚かないポテンシャルを秘めたアイドルぶりを誰かと語り合いたい。

つきましては、早くどこか買ってください!
なんだったらアイスマン2というタイトルにこだわらなくても全然困らないし(笑)。気が楽っちゃ楽よ。新規参入可!!

さて、今作がどれほど夢女子向けか、最もわかりやすいのがこちらの映像。
劇中でも流れておりました、汪苏泷の歌う《时空行者》MV
《时空行者》汪苏泷演唱主题曲

予告
Iceman: The Time Traveler 冰封侠:时空行者 – Official Trailer
《冰封俠時空行者》(Iceman The Time Traveler) 次回電影預告

昔のインタビューを使った無理やりメイキングもあった
冰封侠:时空行者 制作特辑 Iceman 2: The Time Traveler Making

第一作目のレビュー
冰封俠 重生之門 ICEMAN 3D(2014年、香港・中国)@HK
€冰封俠 重生之門 ICEMAN 3D(2014年、香港・中国)その2

考えたらこの作品、2013年に撮影してたんだよね。もう5年も前か。

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