クリミナル・アフェア 魔警(2014年、香港・中国)

気に入った人はこの先何度も観ることになるだろう、そんな作品。今はダンテ・ラムから目が離せない

昨年、香港で観たこの作品を試写で。
なんとなく話を分ってる気でいたけど、何といっても日本語字幕はありがたい。いかに自分が表面的にしか見てなかったかよく分りました。特に今回は『激戦 ハート・オブ・ファイト』→『クリミナル・アフェア 魔警』の順に再度観たので監督ダンテ・ラムの凄味を感じることが出来て感激。

まずはオープニングが秀逸。最初この煙のようなものってなに?と思ったのですが、その後主役のダニエル・ウーが趣味として描く点画のシーンで腑に落ちました。

細かいところにも一切の隙がない、ダンテ・ラムの到達した域には目を瞠らせられます。これから起こるあんなことやそんなことを予感させてゾクゾクしました。これいいなぁ。目眩がしそうです。

そんな静謐なオープニングに続いて映画が始まってすぐに銃撃戦が。強盗団の面がクールでカッコいい。この造型を切り取ったポスターがありましたが、この1枚を見ただけで「この映画絶対見よう」と思ったファンも多かったはず。

自分はそのティーザーポスターを見た印象だけで、その後何も知らずに本編を観たので正直結構驚いちゃったアクション映画脳バカ。でももう一度日本語字幕で観る機会があってよかった。多分、何度も観る度に自分の中で深まってゆく作品なのではないかという気がします。

少々入り組んだ話だけに人間関係などちょっと分りにくいところもあるのですが、そこをギリギリ分り易く整理してある。向こうで見た時に調べようとそのままになっていたことで今回確認できたのは、編集監修を、自身も監督であり過去にウォン・カーウァイの『欲望の翼』や『楽園の瑕』そしてジョニー・トーの『エレクション』の編集をした譚家明(パトリック・タム)が担当。その名を見つけただけで「なるほど」と思わせる化学反応がありました。

カメラもいいですね!『至尊無頼(至尊無賴)』(2006年)から『激戦 ハート・オブ・ファイト』までずっとダンテ・ラム作品を任されている謝忠道(ケニー・ツェー)。ほかの監督作品では『コールド・ウォー 香港警察 二つの正義』や『モーターウェイ』も彼。
最近「ダンテ・ラム組」という表現をよく見かけますが、俳優たちだけでなくこういったスタッフも監督は同じ人を使う傾向にあり、またそれが作品の個性になっているってことなんだなぁ。

主演のダニエル・ウーはイー・トンシン(デレク・イー)監督に(映画の役として)いじめられ続けたキャリアの集大成ともいうべきキャラクター。心に闇と狂気を抱えたその表情は台詞がほとんどないだけにグイグイ圧倒してくる。うーん、今年の香港電影金像奨の主演男優賞を獲ったとしても驚かないぞ。

そういえば香港で見た時に最初の銃撃戦で腕を吹っ飛ばされてた刑事がダンテ・ラム監督自ら内トラかよ!と発見し、今回も同じことを思ったんですが、あれはダンテ・ラムですよね?ね?

そうだ、これも帰国したら調べようとそのままになっていたことのひとつ、ダニエル・ウーの父親役がかつてショウブラなどの功夫映画で数々の主演を演じた戚冠軍(チー・クワンチュン)ではなかろうかということもエンディングロールで確かめました。ご本人は台湾在住で、現在はご自身の開いた武館の師傅をされているはず。たまにはこうして映画に出て頂けると嬉しいなぁ。

『クリミナル・アフェア 魔警』日本語予告編
香港で見た際の感想
クリミナル・アフェア 魔警
ブログ:アジアンパラダイス『クリミナル・アフェア 魔警』ページ
《魔警》正式預告、HK版
戚冠軍(チー・クワンチュン)さんがどんな素敵な俳優かは、こちらこちら

2015年、2月14日にシネマート六本木にて公開。

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