妖魔伝 レザレクション(2012年・中国)

実はこれ『画皮 あやかしの恋』の続編、原題は「画皮Ⅱ」。日本ではまったく関連のないタイトルになりました。

前作からは周迅(ジョウ・シュン)、趙薇(ヴィッキー・チャオ)、陳坤(チェン・クン)が続投。中国で公開当時中国語映画歴代興行収入を更新した作品です(その後王宝強のコメディ『人再囧途之泰囧』に抜かれちゃったけど)。監督は、CM畑出身の烏爾善(ウー・アールシャン)。

『画皮 あやかしの恋』では「泣いてばかりで本当にしんどかった」とボヤいていたヴィッキー、今回は一転非常にイケてる造型です。かかかかかっこいいい。金のハーフアイマスクみたいなのがめっちゃスタイリッシュな公主役。このお姿はドストライクです、素敵。

中華版リボンの騎士かオスカルか。当然ながら鎧に身を固め登場からアクションをしております。アクション指導はトン・ワイ先生。

キャストは一緒でも前作から同じ役なのは、ジョウ・シュンの小唯だけ。なにしろあれから500年後の話です。ヴィッキーさんの家臣役のチェン・クンも今回はアクション多めに頑張りました。弓の名手って設定が良かった。いや、男前。

1ではドニー・イェンとスン・リーがコメディリリーフでしたが今度は楊冪(ヤン・ミー)と馮紹峰(ウィリアム・フォン/フォン・シャオフォン)コンビがその役回りを担っております。
それにしてもヤン・ミーって一体いつ休んでるんでしょう?ってくらい出てませんかね。もうなんでもかんでもヤン・ミーが出てる気がしてきたぞ。一方、馮紹峰もただいま絶賛売り出し中!の忙しいひとり。実は太極シリーズにも出演してたけど、後で確認するまで同一人物とは気がつかなかった。役者ってすごいなぁ。

むこうでは3Dとして公開されたので、ここが飛び出してるのね~とか思いつつ鑑賞。
コンセプトデザインを天野喜孝氏が手掛けたからでしょうか、いろんなところで天野さんのイラストやゲーム舞台や映画を思い出してニヤリ。ジョウ・シュンなんて羅生門の京マチコに見えたし。すさまじくよかったです。しかし彼女と天野さんの親和性すげー。

自分はジョウ・シュンが好きなのですが、今回はキャラ的にヴィッキーさんの方が好みかな。
特に怒りにまかせて男前のチェン・クンをドツキまわすシークエンスはよかったわぁ。前作ほどじゃないにしてもここでも身分違いから自分の気持ちを伝えられないうえに、妖魔にもクラクラきちゃうものだからなんだかんだとイラっとしていたので痛快。いいぞ、もっとやれ。

劇中、ドキドキするような美女2人の入浴シーンやら蛮族とのアクションなど結構盛りだくさん。でも前半がほんの少し長かったかもしれません。後半は、妖魔と公主が入れ替わり、怒涛のような愛の行く末が非常に見応えあり。輿入れする際のビッキーが美しいのなんの。
なんだかんだいって「愛は勝つ」ってエンディング大好きです。

さて「夏の中華大傑作まつり」と銘打たれた「太極シリーズ」との3本立てもこうして無事に見ることが出来ましたが、よく考えるとこの3本に共通点が。それは制作に陳國富(チェン・クォフー)の名前。台湾出身の彼は、近年『王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件』や『唐山大地震』『狙った恋の落とし方。』などでヒットを飛ばした有名プロデューサーのひとり。

そういえば、太極を観に行った時ちょうどロビーにこの3本を配給したツインの社長吉鶴さんがいらしたので、立ち話をば。
そこで、今が盛りとばかりに国内興収の記録がドンドン塗り替えられる中国大陸と、なかなか話題にもならない日本との温度差のことになりました。
むこうの大作はどれくらい待てばグッと安くなるんですかね?と質問したところ、資金調達の方法や調達先へのイメージもあるし国内ですでに回収できてるかどうかも関係して一概には言えないんですよねという答え。あとはやはりプロデューサーが日本の事情を知っているとか日本とのやり取りに慣れているかどうかも大きいとのこと。
その点、この作品は話が早かった、とか。なかには若くて、まったく融通のきかない人もいるしね~、だそうです。

さて、そんな話の早かったプロデューサーの陳國富とともに、この3作全部にクレジットされていたのが(太極ゼロの出演は一瞬だけど)馮紹峰という。あ、そういえば音楽の石田勝範さんもだ。

なーんだ、結局は夏の陳國富と馮紹峰、そして石田勝範まつりだったというわけですね!

この馮紹峰さん

上述したようにいま人気急上昇の明星で、ジャン=ジャック・アノー監督の中仏合作映画『神なるオオカミ』の主演が控えているそうです。
そういえば、彼が項羽を演じた『鴻門宴』も日本公開が決まったと聞きました。こちらはダニエル・リー監督で、黎明(レオン・ライ)、張涵予(チャン・ハンユー)、劉亦菲(リウ・イーフェイ)、黄秋生(アンソニー・ウォン)、陳小春(ジョーダン・チャン)、安志杰(アンディ・オン)出演。ダニエル・リーに「しては」なかなかよいデキという噂。非常にいい面子なので楽しみです。

画皮Ⅱ予告
Painted Skin 2 : the Resurrection Movie Trailer
↓そしてエンドクレジットソングは、再び张靓颖が画心を新アレンジで歌っております
[Official MV] 《画皮II》 主题曲官方MV 画心II : 张靓颖演唱

TAICHI/太極 ゼロ TAICHI/太極 ヒーロー(2012年、香港中国)

カテゴリー: film, アクション映画 タグ: , , , , , , , , , , , パーマリンク

妖魔伝 レザレクション(2012年・中国) への2件のフィードバック

  1. June のコメント:

    夏の中華大傑作まつり… こりゃ どうよ… と思ったものの 見てみると
    大傑作まつりでした(笑)
    といっても まだ太極ヒーローがみられてないのですが ゼロの面白さから
    続きが早くみた~~いと じりじりしてます
    (そして同じくDVDでいろいろ内容確認してみたいっ)
    天野テイストたっぷりの画皮も 意外に(といったら申し訳ないけど)音楽含め
    良くて 日本エッセンス(?)の融合が上手くいった感じでしたね
    小唯のダンスシーンとか メイク含め おお~ 天野嘉孝じゃ~~って何だか
    ニヤニヤしてしまいました
    遠目にみた 公主の輿入れシーンとかも衣装や背景など天野さんの雰囲気が
    しっかり出ててファンとしては嬉しい限りでした
    公開作が少ない時に こういった企画は本当にありがたいもの 
    また是非お願いしたいものです

    そう言えば 書けなかったので… Coming this Oct! 期待しております
    どういう経緯だったのかも だいぶ はっきりして…ありがとうございました 

    • ケイコママ のコメント:

      一日も早くヒーローが見られることをお祈りしますですよ~
      ほんと画皮2は見どころがありましたね、チェン・クンもデラカッコ良かった

      Coming this Oct!は本当だったようで良かったです
      私に長いメッセージを託してくれた方も、丁寧なお礼をくださってこんなミーハーな自分の趣味で誰かが喜んでくれるのは、なんか嬉しかったりします

コメントは停止中です。