イップ・マン小ネタとイップ・マン3、MOVIX三郷『イップ・マン 序章』『イップ・マン 葉問』100円上映会!その2-ドニー・イェン 甄子丹 

予告通り、100円イップ・マンの第二弾。
丁度いま埼玉県美郷で行われている超ビッグ企画 『イップ・マン序章』と『イップ・マン葉問』がなんと100円で見られるという上映会。ホイホイ美郷まで出かけ、でっかいスクリーンで葉問師父を堪能し心の底から満足した自分。
そこで嬉しさのあまり過去書きそびれていたイップ・マンの小ネタをここで一挙大放出。

まずは確認事項から。
『イップ・マン 序章』で、道場破りルイス・ファンに最初にしてやられる佛山青龍館の師父役は、この映画でサモハンとともに武術指導を担当した梁小熊(トニー・リャン)。

彼は言わずと知れた梁小龍(ブルース・リャン)の実弟。谷垣さんの本で菜食主義者の武術指導としても紹介されています。師父役はどうやら内トラ。さすがのやられっぷり、素晴らしい。
彼の名は広く世界にも轟いているらしく、インドの『Mugamoodiツ黴€』(2012)という詠春拳の映画のアクションも担当しています。(←ちょっとサモハンと誤解されてる部分もあり、の記事)予告見るとなんだかマルコ・ザロールのミラージュ+詠春拳(笑)。かなり面白そう。
Mugamoodi Official Trailer
小熊ちゃんが指導してるそのメイキング。

もうひとつ確認事項

序章の冒頭で邸宅に押し掛けて一緒に食事までしたのに葉問に軽くいなされてしまった廖師父。

演じるのは陳之輝(陳之輝)。ずーっと長いことテレビや映画の古装ものには欠かせない売れっ子武打星です。そこそこの話題作(時代劇)にほとんどいっていいくらい顔を出してます。あなたは馮克安(フォン・ハックオン)かい!彼のすごいところはその演技力。扮装によって別人に見える事も多いので同一人物と気がつかない人も案外いるのかも。

ドニーさんとも結構共演していて、古いところでは『詠春』(1994)で最初に登場しあっという間に盗賊にやられる役とか

『エンプレス 運命の闘い』(2008)での悪役とか

『処刑剣 14BLADES』(2010)で脱脱によって凄惨な殺され方をした錦衣衛の白虎とか

承德市歌舞団出身、少北拳の高手。現在は中国少北拳全国指導委員会副主任という肩書を持つ武術家でもあります。ジェット・リーの『SPIRIT』で霍元甲と死闘を繰り広げたチン師父も彼。

そして同じく序章で、道場破りが成功して意気揚々とソバを食べるルイス・ファン一味に横から「雑魚に勝ったからっていい気になるんじゃないよ」と言い放つ屋台のオヤジ。出番は少ないながらなかなかの存在感で非常に印象に残りましたが、メイキングを見ていて気がつきました。なんとあの役カメラマンの陳兆君 (チャン・シウクワン)の内トラ。調べたら本当にそうだった。序章では第二撮影班、葉問では第一助理で参加。本職での姿はコチラ。カメラ横の助手が屋台のオヤジ。いやいやいや、うますぎるだろ演技。

そして『イップ・マン 葉問』のエンディングでいきなり聞こえてくる、なにかと評判のよろしくないロック。序章→葉問を観た人のおそらく100人中99人が「川井憲次でええやんけー!」と心の中で思ったはず。あの妙に浮いてる『百折不撓』を歌っているのは、サイモン・ヤムの息子、光耀役の鄭家星(カールソン・チェン/カルビン・ チェン)。序章時17歳、葉問の撮影時は19歳でした。
実は彼の父親である鄭強輝が、葉問プロデューサー、黄百鳴(レイモンド・ウォン)の当時経営していたマンダリンフイルム(東方娯楽控股有限会社)の大株主だったのであります。そう、思いっっっきり縁故採用曲だったというわけですね。

まぁ、あの曲がどうかは置いといて、葉問の劇中、師父が弟子であるレオンに「誰でも永遠に一番でいることはできない」と静かに語るシーンを覚えている人も多いかと思います。あの台詞を考えたのはドニーさんご本人だそうで。韓国のインタビューであれはオレが考えたんだぜ!と自慢しておりましたよ(笑)。あそこは自身の気持ちを込めた台詞だったようで「1番でいることが重要じゃなく、引退後振り返って香港映画に貢献したかどうかが重要」と答えていて、なんだかしみじみしてしまいます。いい台詞だったもんね。

この葉問シリーズはとにかく香港中国をはじめアジア各国で大ヒットし結構なブームを起こしました。そのおかげか、様々なところで引用されたりパロディにもなっています。そこで葉問リスペクト(笑)動画を一部。

葉問戲仿 花田囍事2010(曲まで一緒!)
「誰是你€師父?」72家租客2010
人間喜劇拎住手機拍片
百佳廣告_黎耀祥葉問篇(CM)
香港亂嗡-盧海鵬 扮 葉問 教《三招功夫》(盧海鵬はジョニー・トーの奪命金のあのオヤジ、くわしくはコチラ
Iron Man 我要打十个
プレジデントオバマ葉問 笑詠春2011

あとはちょっとした台詞で葉問やドニーさんのことがでてきたり。
たとえばジェフ・ラウの『東成西就2011(原題)』では蘇永康(ウィリアム・ソー)扮する大陸のアイドル、ヤン・ミー好きの映画オタクのタクシー運転手が「在下佛山温奇,師承葉問電影1、2集(私は佛山温奇、師は映画イップ・マン序章とイップ・マン葉問です)」とカレン・モクに自己紹介しますが、これは『イップマン 葉問』で師父が円卓に上がって言った台詞「在下葉問,佛山詠春派,師承陳華順(私は葉問、佛山の詠春派、師は陳華順です)」をパロってるわけです。
また王晶は『美麗密令(原題)』でルイス・ファンの役名を「袁子丹」(袁和平+甄子丹)にしていましたっけ。→詳しくはこの中に
そういえば、詠春拳の始祖である詠春を描いた『功夫・詠春(原題)』(2010)という映画も作られました。ラストでは「うお、葉問ラストのパクリ?」とニヤリさせられるシーンも。

シンガーの陳奕迅(イーソン・チャン)は2011年のコンサートでドニーさんと李小龍、成龍の物真似をして大受け。彼は謎のナンバー『葉問風中轉』という曲も作っています。聞けばわかる通り「葉問、葉問」と連呼しとるわけですが、訳してみてもなにがなにやらサッパリ。そこで色々検索したみたところ、香港人にもこの歌はよく理解できないらしく、まぁイーソンらしいひねりまくった歌詞、ということで(笑)。

とまぁ、パッと思いついただけでもこれくらい。
とにかく当時いかにこの葉問が流行ったかが分るというわけでございます。

あ!肝心なのを忘れるとこだった。
ドニー・イェン本人もセルフパロディをしてました。
『最強囍事(原題)』(2011年)での1コマ。香港じゃセルフパロがやれるのは大ヒットを飛ばしたスターの証。これを観た時、かなり嬉しかったことを付け加えておきます。

ところで昨年、NYアジアン映画祭にて「今度葉問3を3Dで撮るよ!」と宣言し、それが世界中(のごく一部のマニアの間)を駆け巡りファンを喜ばせたドニーさん。日本での報道もまだ葉問3準備中と記事が出ているようですが、しかし近々の香港報道によるとこの企画、延期になったというか少なくともウィルソン・イップとドニー・イェンのコンビでの、すぐの3はなくなった模様。
完璧な3Dにするほどの巨額の資金が集まらず、「なら無理してやらなくても」と葉問の重要性を考えたウィルソン・イップ監督に対し、このところコケ映画が続いてしまったプロデューサーのレイモンド・ウォンが焦って自分の息子エドモンド・ウォン(彼は葉問シリーズの脚本家)を監督にしてでも2Dで撮ると動いたらしく、これにはドニーさんも「ウィルソンが監督じゃなきゃ葉問はしない」と別の所でコメントを出しました。

会社は「他の人間に代えても撮る」としていますが、いくらなんでもそれはあまり現実的でないので多分この企画は一旦白紙に戻ったとみていいのではないでしょうか。イップ監督もドニーさんも今年め一杯スケジュールが埋まってますからね、物理的にも絶対に無理。

ウォン・カーウァイ監督の『グランド・マスター』が大ヒットし、ハーマン・ヤウ監督アンソニー・ウォン主演の葉問映画『終極一戦』の公開も続いたことだし、なにより昨年のあの騒動の影響も少なからずあったのかなぁ(涙)資金が充分に集まらなかったという一文が個人的には少々気になるところではありますが、そろそろクランク・アップしそうな『冰封侠3D』や『モンキー・キング』がヒットすれば、しれっと葉問3Dの企画も復活するのでは?と自分はみています。そういう意味ではこの2本、結構ドニーさんの正念場なんだなぁと。加油!

そのドニーさんの今後の撮影予定は、英皇電影制作テディ・チャン監督の現代サスペンス『一個人的武林』。共演は冰封侠に続いて王宝強、チャーリー・ヤン、白冰。そして彼がメディア・アジアと組んでたちあげた「超級英雄公司(Super Hero Films)」で制作する『師傅』と『九龍城寨』が控えているそうです。この2本、かなーり楽しみです。

追記:
と、書いたそばからカンヌ映画祭を機にものすごい量の新作情報がでたので勢いで追記しておきます。

あの!世界中のドニーファンが待ち焦がれていた『特殊身分』のポスターがカンヌで発表になりました。クランクアップの報を聞いてから(本当はまだ残ってる追撮があるらしいのですが)ちょうど1年ですか。長かった~~~。あんまりカッコいいポスターなのでこっそり(にならないけど)貼ってしまいます。さ~、世界中の配給会社の皆さん、じゃんじゃん買っちゃって!!!

そして『冰封侠3D(ICEMAN)』に続いて撮影するという『一個人的武林』ですが、記事を読んでいたらどうやらテディ・チャン監督、香港アクション映画に従事してきた同僚や先達に対しての敬意をこの作品に込めたいようです。

彼の口から感謝を捧げる名に「唐季禮、 董瑋、林迪安、熊欣欣、袁祥仁、元彬、李忠志」と錚々たる人達が出てきて、それだけで結構胸が踊ります。そんなにアクションばかり撮ってるイメージもありませんが、だからこそ余計に動作指導の人達やスタッフに尊敬の念も強いのかもしれませんね。

プレミア上映では募金も募り、広く香港アクション映画の保護も訴えたいようです。事実最近は絶滅危惧種みたいになってるもんねぇ。応援します。

また主演のドニーさんは多分その心意気に共感したのでしょう、お友達価格のギャラで出演だそうで、別の記事では「この映画では伝統的な武術を現代の生活に溶け込ませる。新しい視点で武術の意義を理解してもらえるだろう」てな(感じの)事をコメントしておりました。その言葉にもますます興味が膨らんじゃう。とはいえ、警察サスペンスアクションですからね、バッチリエンタメしてくれるはず。楽しみです。

最後は急に飛び込んできたビッグなニュース。
米ワインスタイン社制作の『グリーンデスティニー』の続編にミシェル・ヨーと共演することが決まったと正式発表がありました。

ドニーさんにとってすごい転機になりそうな予感もしますが、それよりなにより驚いたのがメガホンを取るのが、あの袁和平(ユエン・ウーピン)師匠という!グ、グリーンデスティニーですよね?グリーンランタンじゃないですよね?だだだだだ大丈夫ですか?ハーヴェイ・ワインスタインさん!
今は知りませんが、かつては「アクションでは数限りなくテイクを撮り、ドラマは2回以上のテイクは撮らない」と言われたお人ですよ?よ?近々の『酔拳 レジェンド・オブ・カンフー』(2010)はご覧になりましたか?アレはまさにウーピン師匠の真骨頂、もんのすごい話、破綻してませんでしたっけ?私なんかあの映画を観て「ユエン・ウーピン健在なり!」と笑ったひとりなんですが。
に、してもアン・リー→ユエン・ウーピンって振れ幅が大きすぎやしないか。ハッ、まさかそれが狙いか?さすがミラマックスでタランティーノと組んでただけある?
いやいやいや、今からこんなことを言うと怒られますね。ごめんなさい、和平さん。

個人的にはすでにアン・リーの傑作の続編『グリーンデスティニー2』というより『新流星胡蝶剣』(←これは程小東だけど)風味で『詠春』のちょっと豪華版ということに・・・心づもりして・・・おきたいと思います。あ、動作指導には是非、谷軒昭(コク・ヒンチウ)を召集してくださいね!

脚本は『ドラゴン・キングダム』のジョン・フスコ。(正直あなたの双肩に掛ってるんだからよろしくお願いします!)このカンヌで制作発表記者会見をするらしく、撮影はマレーシアが予定されているという情報もありました。クランクンは来年の3月予定。アン・リーのあの芸術性を再び!と期待して観た人の目が点になることを想像して・・・い、今から激しい動悸が。
てか、自分としてはめっちゃ破綻しても素晴らしいコレオグラフ満載の娯楽武侠映画になってればそれでOKです、それで充分に価値があります!

に、しても日々の情報を追っかけてたらほんとキリがありませんね!
ダラダラ長文、本当に失礼いたしました。

 

 

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イップ・マン小ネタとイップ・マン3、MOVIX三郷『イップ・マン 序章』『イップ・マン 葉問』100円上映会!その2-ドニー・イェン 甄子丹  への6件のフィードバック

  1. 岐阜の『ともっち』 のコメント:

    フリーマン筒井氏のブログでその上映会を観に行った友人って、まさか・・(笑)??
    そのブログからの情報で、あの『大英雄』のDVDの再販を示唆する記事が・・しかも広東語バージョン・・気になるし、トニーのタラコ唇もう一度観たい(笑)。
    違う場所での情報ですが、『花様年華』のブルーレイ販売も決まったらしいです。
    これは買わなきゃ、ですね。

    • ケイコママ のコメント:

      ははは、それ、私ですわ。ほとんど知られてない上映のようなので人気のある筒井さんのブログで紹介してもらおうとステマを画策しました(笑)。律儀な筒井さん、えらい。
      そうそう、ウォン・カーワイものとか大英雄、初恋もブルーレイ化なんですってね。角川さんGJ!楽園の瑕と花様年華は是非とも欲しいなぁ

  2. ともすけ のコメント:

    早速、拝読いたしました。
    わはは、袁和平さんにそんなクセがあったとは存じ上げず、「ドニーさんと袁和平だったら、アイアンモンキーみたくオモロいアクションがてんこもりなのね笙。」などとニヤニヤしておりました。
    「酔拳 レジェンド・オブ・カンフー」観ます!
    ありがとうございました縲怐B

    それにしても「特殊身分」、公開されることになってよかったですね…。
    谷垣さんの著書を読んだ全員がそう感じていることと思います。
    そして、そこで紹介されていた「ロスト・イン・ラ・マンチャ」を見てみたいと思った人も、少なくない気がいたします。
    「特殊身分」日本公開されますように!

    • ケイコママ のコメント:

      和平先生の傑作は『アイアンモンキー』ですよね!自分も大好きです。
      『グリーンデスティニー2』はドニーさんのマジ弁髪を是非お願いしたいところ。
      今、彼に「頭剃れ!」と命令できるのは和平先生しか思いつかない。

      特殊身分、日本で公開されてほしいですよね~ほんと心から願います。
      カンヌに行った人が『冰封侠3D』の値段を聞いて、あまりの高額にぶったまげてました
      日本以外のアジアでは人気絶大ですが、日本ではまったくもって「誰?それ」状態ですもんね
      大作に出れば出るほど、日本での公開を心配する・・・・矛盾してますがなんだかそんな感じです。
      (3D作品も日本で果たして3Dで観ることが出来るかどうか、とほほ)

  3. きんこん のコメント:

    いやはや、いまや日本一熱い功夫映画ブログなのではないだろーか、
    この、バクダン酒場っ!

    ほとばしる熱気と、抑えきれない衝動のよーな、ケイコママの覇気を感じるっ!

    前置きが長くなりましたが、

    はるばる奈良から埼玉県三郷まで観に行ったのは、このボクです、です( ´ ▽ ` )ノ

    いやはや、わざわざ行って良かった!実は初見だったので、大コーフン!

    15日水曜に観ましたが、約10人でした。ケイコママとニアミスでしたね、残念!

    • ケイコママ のコメント:

      きんこんさん、奈良から三郷!すごいいいいいい
      初見であのスクリーンでご覧になったとは素晴らしい
      私のときも10人いるかいないかで、残念でした(涙)
      でもよかったですよね、デカイスクリーン
      2のオープニングが死ぬほど好きなんですがヤバかったです

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