惠天賜と司徒錦源

金本選手引退でしんみりしていたら、前後して哀しいニュースが。
10月4日、ベティ・ウェイのお兄さんであるオースティン・ワイ(惠天賜)が亡くなりました。「SPL/狼よ静かに死ね」や「導火線」にも出ていた俳優さんです。
彼はかつて香港で一流といわれた春秋戯劇学校で、京劇有名俳優粉菊花から京劇を学んだ1人。サモハンの洪家班の林正英(ラム・チンイン)孟海(マン・ホイ)、そして鐘發(チュン・ファット)小侯(シャオ・ホウ)や売れっ子武術指導である董瑋(トン・ワイ)らと同門です。
70年代から映画やテレビで数々の主役を演じ活躍した二枚目武打星。晩年は苦み走った渋いスタイルで脇役として存在感を示していました。
映画での遺作は恐らく「功夫・詠春」でしょうか。
年齢を重ねてもなお素敵な辮髪姿で美しい衣装を身にまとい、主役の白静ちゃんと手を合わせた功夫シーンは、ほんの少しでしたがうっとりしました。そういえばこの映画で妹ベティ・ウェイと共演だったんですね。まだ55歳でした。

かと思うと、48歳というもっと若い年齢で亡くなってしまったのが脚本家の司徒錦源(セット・カムイェン)。肺癌で薬物治療中であることは谷垣健治さんのブログを読んで知っていましたが、10月13日帰らぬ人となってしまいました。
ジョニー・トーの銀河映像MilkyWay作品でもお馴染みの脚本家、数々記憶に残る作品を生みだしファンの方も多いと思います。
「ロンゲストナイト/暗花」や「デッドポイント/黒社會走査線」「ヒーロー・ネバー・ダイ/眞心英雄」「エグザイル/絆」そしてウィルソン・イップの「SPL/狼よ静かに死ね」や「導火線」
彼の描く映画にはいつもふとした日常や普通の感覚があった。そんな日常に潜む悪意やちょっとした感情がアクシデントの積み重ねによって人間を地獄へと突き落とす。不思議な説得力をはらんだ非情さに、残酷な流れになっても顔を背けられずこちらは目を見開いたまま最後までそれを見届けるしかない。

ちょうど、NHKBSで放送されたばかりの時代劇「猿飛三世」を観たところだったのでアクション監修をした谷垣さんにメールで感想を送った際、すでにご存知かと思いましたが亡くなったことを付け加えたのです。すると「彼は僕らのピンチをたびたび救ってくれたんですよね・・・」というようなご返事。以前ブログにも撮影中の日記として「大閙天宮」や「特殊身份」で治療中の身にもかかわらず脚本変更に参加をしていて、それを気遣う心境が書かれていました。

惠天賜と司徒錦源、おふたりに心から哀悼の意を表します。

 

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惠天賜と司徒錦源 への4件のフィードバック

  1. 坂田悠時 のコメント:

    オースティン・ワイの死は本当に残念です。彼の作品では「唐山五虎」が好きだなぁ。
    記念にいくらか彼の出演作購入しようかしら。

    • ケイコママ のコメント:

      坂田悠時さま
      「唐山五虎」今ググったら、梁小熊さんも出てる!
      観てみたい、オースティン・ワイの写真カッコいい
      ブログ時々見ています、勉強になります

  2. 岐阜の『ともっち』 のコメント:

    しばらくコメントしておりませんでしたが・・お元気ですか?
    先月ですが、岐阜でも急遽『画皮 あやかしの恋』が期間限定で公開されまして、観てきました。テレビドラマの『新上海グランド』にも出ていたスン・リーが活発なハンターの役をやっていましたね?
    あの役はヴィッキー・チャオの方がお似合いだと思うのは僕だけでしょうか(笑)?
    僕が最近観た映画では、ダントツで『アイアン・スカイ』をオススメいたします!
    ただのバカ映画(褒め言葉)ではなく、政治・外交・差別ネタ・・細かいネタのオンパレードで、何度も観たくなるような映画が好きそうな飯星さんにぜひ!!と思い、紹介します。

    • ケイコママ のコメント:

      岐阜の『ともっち』さま
      ありがとう、元気です!
      はい、妖怪ハンターは三国志英傑伝にも出ていたスン・リーです。
      画皮のヴィッキー自分は好き。最近「ムーラン」も観ましたがとてもよかったです。

      ところで、「アイアン・スカイ」私も観ましたよ~~~
      面白かったですねぇ、あんなに笑えるとは。
      色んな映画の要素が一杯で見ながらワクワクしてしまいました。
      メガネプルプルでは気が付きませんでしたが「席をはずせ」という言葉で気が付きました(笑)。
      アメリカの描写にも胸がすかっとしましたよ!レナーテ超美形、すてきでした制服姿。

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