2011年NHK杯 その1

週末、北海道にNHK杯フギュアを観に行ってきました。
毎年、誰かしら友人と行くのだけど、今年はみんな忙しくて結局1人観戦することになりました。
考えたら、1人で旅行するの初めてなんだわ。

海外にも1人で移動はあるけど、それは現地集合とか現地に友人が待ってるとか、そんなんだからなぁ。

今回1人計画してみて発見したことは、いつもは何だかんだと事前に念入りに下調べするのに、自分のためだけだとそういうことを一切しない、ってことに気がついた。わっかりやすいなぁ。

で、思い切り最悪のスタートを切ってしまいました。
当日、起きたらなんと朝10時。え、えーと自分、たしか8時の飛行機チケット購入してましたよね?つまり新千歳にとっくに着いているはずの時間に起きたのでやんす。

見ると、いつもは3回くらいに分けてアラームかけてるはずの携帯すら、セットせずに、いつの間にか気絶していたことが判明。
「誰かと待ち合わせしない」ということが、こんなに顕著に出る女。なんなんだ、アンタはよぉぉぉ!

なんすかね、あの脱力感。もう、一気になんもする気がせん。
ダッシュして出かける準備をしなきゃいけないのに、ダラダラ普通にカプチーノとか淹れてるし。

ああ、あんなに観たかったイリニフ・カツァラポフ組が、シブタニ兄妹がリード姉弟が、そしてダンスのみならず、ペアの高橋トラン組やサフチェンコ・ゾルコビー組、川口・スミルノフ組が~~~~~~~!!!!

とにかく気力を振り絞り、羽田まで行きました。道中、一番早く新千歳に向かうフライトの予約。
今回、旅行代理店で「ホテル付きお得なパック」なるものを頼んで相当旅費を節約できたと喜んでたんですが、それは当然変更のきかないチケット。
別に出費することになった当日売りの正規フライト料金を聞いたら、朝から、いや、昼からものすごくブルーっすわ。

羽田に着いたら着いたで、搭乗ゲートは間違えるわ、途中チケットを落とすわ、(どなたが存じませんが拾って届けてくださってありがとう)もうね、なんだか「私を北海道に行かせまい」としている力が働いているのでは、と思うほどの間の悪さ。

ようやっと、私が会場に着けたのは、男子のSPに間に合いそうな時間。
ほんとうにねぇ。ダンスやペアも楽しみでこのチケット取ったのに、何をやっておるのだ、私は!!!おおばかものーーーーーー!!!!

キャシーのブレードに踏みつけられ、リフトのトップ位置からスミルノフに真下に叩きつけられても文句は言えないこの不覚。

隣の席のスケートやってます、みたいな少女に聞いたら高橋成美、マービン・トラン組は銀メダルだったらしい。ぐお~~~~見逃がした!

ま、気を取り直して男子のSPですよ。

ここで、なんともスゴイものを観ました。ブランドン・ムロズ選手の4ルッツ。
基礎点13.60という大技です。
「なんか凄いもんを観ちゃったよ!」という興奮に瞬時にして包まれる。
こんな私のテンションを一気に上げてくれてありがとう!!!ブランドン!
彼に「マック・ザ・ナイフ」が凄く似合ってる。振り付けはジェフリー・バトルなんすね、いい選曲だ。

町田樹選手は、昨シーズンからの持ち越しの素敵なプログラム「黒い瞳」。
ジャンプも綺麗に決まって「よっしゃ!」と思ったとたん、フライング・シットスピンでまさかの転倒。
これもフィギュアスケート。
「もったいない~」という場面をフィギュアで今までに何度観たことか。これからのいい経験にしてくださることを願います。次こそは!

小塚選手はジョー・ヘンダーソンのジャズ「 Inner Urge」。振付したのは、デビッド・ウイルソンとか。小塚くんは相変わらず、選曲が一味ちがう。ビッグバンド編成のこの曲は始まりからして痺れるほどかっこいい!
それにしても難しいステップだ~。なんというか、とても彼の個性が感じられるプログラム。
いいなぁ。このノリは他の選手にはない部分だけに、極めて欲しい、そう思わせる方向性です。

高橋選手もまたD.ウイルソン振り付け。
このNHK杯SPで非常に完成度の高い演技を見せて高得点。これまた素晴らしいコレオグラフィー。
怪我をしてからずっと詰まり気味だったコンビや3Aも綺麗に着氷が流れるようになっているのが嬉しい。スピンも本人比でスムーズにスピードアップしていますよね。
高橋選手が、またこういう世界観を見せてくれたことに感激しました。
現役続行してくれてよかった、そう心から思います。

明日のFSもみんながんばれー。

夜は女子FS。
この日、気に入ったひとつがワシュリー・ワーグナー選手の「ブラック・スワン」
同じ選手を何年か見ていると「あ、一皮むけた」と気がつくシーズンがあったりするものですが、今シーズンのワシュリーはまさにそんな年。
そんなプログラムを生で観られるというのは、どんなに嬉しいことでしょう。
思わずスタオベしてしまいました。よかった!

一方、ガーシュインの名曲「I Got Rhythm」を滑ったのはキーラ・コルピ選手。
この曲は、アイラ&ジョージが1930年に初演した「ガール・クレイジー」というミュージカルのために作ったナンバー。
それをのちに、MGMがミッキー・ルーニーとコンビで青春ミュージカル映画を撮っていた時代のジュディ・ガーランドを主演に「ガール・クレイジー」というタイトルで1943年に公開。そのなかで歌われた曲としても有名です。
(これはまた、92年に「クレイジー・フォー・ユー」というタイトルでブロードウエイでリメイク舞台化。日本では劇団四季で有名なミュージカルですね)

キーラといえば、こちらも昨シーズンから持ち越しの「虹の彼方へ」という素晴らしいSPを滑りましたが、FSでこの曲を選ぶとは、なにげに只今ジュディ・ガーランド祭り開催中?
最近の彼女は、そのゴージャスな容姿と雰囲気を生かしたプログラムと衣装が特徴になりつつありますね。せっかくのあの類まれな個性なんですもん、この路線、大好きです。
しばらく続けてください、とつい思ってしまいます。

日本からは、鈴木明子選手、浅田真央選手、石川翔子選手が出場。

石川さんは、6分間練習中なんでもないところで転んでしまい、ひやりとする瞬間も。
その影響があったのでしょうか、演技終了後にキスクラではなく別の場所に座って、コーチやトレーナーに囲まれて何やら脚か靴を気にしている様子がとても心配になりました。
怪我でないといいと願っていましたが、その後のEXに元気に出てきてくれたので違ったようです、よかった。

浅田さんは、ジャンプが抜けたりせずご本人も手ごたえを感じた演技だったようです。久しぶりに彼女の心からの笑顔を見た気がしました。
彼女が跳ぶ前はいつも会場中が固唾を飲んで見る雰囲気があります。
残念ながら今回3Aは跳ばない選択をしたようでしたけれど、このFSでは着氷する度に観客が大歓声だったのが、とても印象的。やはりすんごい人気ですね!

鈴木明子さんは、今シーズンも5種ジャンプを入れた構成で、ジャンプのミスがあったものの、途切れそうになる集中力をなんとか立てなおして演技を終えることが出来ました。
こういうことって、簡単そうに見えて実はとても難しい事かと想像します。リカバリーも含め、まとめ切ったところはさすがです。
鈴木さんといえば観客を引き込むステップが有名ですが、それに加えて彼女のキャメルの力強くて美しいこと。もちろんレベル4。
前日の完璧なSPの得点がものを言いました。ショートでの3T-3T成功おめでとう、そして優勝おめでとう!

ダンスペア女子の皆さんはお疲れさまでした。
男子の皆さんはフリーもがんばれー!

2011NHK杯フィギュア 公式サイト

 

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