マイケル・ナイマン

基本、自分は面白くなかった映画の感想は書きません。
てか、すごく面白かった映画も書ききれないほどなのに、面白くなかったものを書く暇はない。
でも、これはつまらなかったと書いていい気がする映画をひさびさに観ました。

「女と銃と荒野の麺屋」
巨匠チャン・イーモウが監督です。
寝て起きたらまだ死体を運んでるってどういうことや。
30分で済む話を延々見せられたような、この脱力感。
舞台設定やキャストはよかったのになぁ。
特に、孫紅雷(スン・ホンレイ)は勿体ない使い方でした。
それもこれも全部チャン・イーモウが悪い。

そんなことを飲みながら友人に話していたら、そもそも「女と銃と荒野の麺屋」というタイトルからして地雷くさいじゃん、と言いだすじゃありませんか。
「コックと泥棒、その妻と愛人」じゃあるまいし、だそうです。
いやいや「竜馬の妻とその夫と愛人」ってのもあってだね、それは別に悪くなかったよ~。

そういえば、「コックと泥棒、その妻と愛人」の音楽はマイケル・ナイマン。
実は「ピアノレッスン」が公開されたあと、このマイケル・ナイマンにインタビューしたことがあります。

どんな話をしたか内容は忘れてしまいましたが、彼のサントラを何枚も持っていた私は、その映画公開前後にトヨタの自動車のCMでナイマンが提供したオリジナル曲「ANOHITO NO WALTZ」を気に入り、わざわざトヨタに電話をして(その頃はネットがなかった時代)タイトルとCDが発売されているかどうかを聞いて購入したことがあります。

で、そのインタビューの際に「私はあなたがトヨタのために書き下ろしたANOHITO NO WALTZのCDも持っています」と話したわけです。
するとナイマンさん「いや、それはピアノレッスンだから」というご返事。

そういえば、その後ピアノレッスンのヒットを受けてトヨタはピアノレッスンのサントラ曲もCMに採用したりもしてました。ああ、ややこしい。

「ええと、あなた確かトヨタにオリジナルスコア書きましたよね」と言っても「だから、それはピアノレッスンだってば」と話は噛み合わず。

結果、こんなにナイマンさんのファンなのに、ご本人には「インタビューしてるくせに、あの最大のヒット映画であるピアノレッスンのサントラすら知らない無礼な奴」と思われたらしく、それからすっかりへそを曲げられてしまったのでした。なんという逆効果。とほほ。

多分、ナイマンさんご自身もあのオリジナル曲のことを忘れていたか、ひょっとすると、どっかの映画で没にした曲をマネージャー主導でトヨタに出しただけだったのかも。(当時のトヨタの広報のお姉さんは「書き下ろしナンバーです」と誇らしげに教えてくれたけど)

なぜか「女と銃と荒野の麺屋」を観たら、そんな苦い記憶がよみがえってきたのでした。
そしてYouTube捜したらあったわ。「ANOHITO NO WALTZ」
ナイマンさんのあの冷たい視線を思い出すと辛くなるので(笑)長い間聴いてなかったけど久しぶりに聴いたらこんな曲だったのね!
明るい色調だけど、しっかりナイマン節です。

マイケル・ナイマン「ANOHITO NO WALTZ」

 

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