気仙沼 復興屋台気仙沼横丁

とうほく食文化応援団、最終回は前回に引き続き、東日本大震災による津波とその後の火災で1000人以上の方が亡くなり、いまなお350人近くの方が行方不明になっている宮城県気仙沼市。

この港町に、オープンしたばかりの「復興屋台村 ‘‘気仙沼横丁’’」があります。

ここは被災した飲食店や小売店などを再開しようとする人達を支援する目的で作られた仮説店舗。店舗数は現在全部で22件。
そのなかの一件、気仙沼ホルモンの「狼煙」にお邪魔しました。

ご案内くださったのは「気仙沼ホルモン同好会」の小野寺克弘福会長。
港町気仙沼で、なぜ、ホルモン?と思う方も多いでしょう。実は自分もそんなひとり。

なぜ気仙沼でホルモンか?
これには諸説あるそうですが、はっきりとわかっているのは、昔から漁師さんに陸の味として肉、しかも大量に食べられるものとしてホルモンが好まれたと言うこと。

この地のホルモンは、豚のみ。しかもここでは様々な部位を混ぜてニンニクや味噌などで味付けしたタレに付け込んでから焼く。
しかも付け合わせとして千切りのキャベツは必須。しかもそのキャベツにこんがり焼いたホルモンを載せ、おもむろにウスターソースを掛ける!

うほっ!なんとユニークな!

自分、とんかつのキャベツ千切りにもソースかけないんだけど・・・という思いがちらっと脳裏をよぎる。
しかし、一口食べてそんなご託なんざ、どーでもいいことと思い知りました。
うまいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!

えっと、ビール!ビール!

なんでしょう、この複雑すぎない、しかしストレートすぎるわけでもない、この味の微妙なハーモニー。
まず、タレにつけたホルモンの香ばしさと味噌とニンニクの甘さが口に広がったかと思うと、次に来るのがキャベツの爽やかさと青臭さのあっさり感。そして最後に訪れるのが、ウスターソースの、前の味ふたつを決して邪魔しないどころか引き立て役に徹した酸味。

うわ~、アメージング。

これをハフハフと、ただただ繰り返すのみ。しかもホルモン、キャベツ、ウスター、ビール、ホルモン、キャベツ、ウスター、ビール、もうね、こうなったら永遠に繰り返してもいいす!

落ち着いたところでお話を聞くと、気仙沼の人達は子供の頃からこのホルモンを食べつけているらしい。
「だって、僕ら、子供の頃から花見だキャンプだ秋のいも煮だっていうと必ず、このホルモンですよ!」と狼煙の店長小山芳紀さん。

日本は狭い、そんなことをつい勘違いしてしまう今日この頃ですが、そんなことは決してない、痛感させて頂きました。ありがとうございます!

最後になりますが、この復興屋台村 気仙沼横丁、様々な人達がお店を構えています。取材の合間、できるだけ多くの店をと色々なところを覗いて歩きました。

例えば、民宿が再開出来ずにここで居酒屋を構えた男性三人組。
流された店と同じ名前で店を構えるご夫婦。女手ひとつで頑張っているのでしょうか、仕込みに忙しい女性店主。さまざまな種類のお店が昼夜となく、お客様に喜んでもらおうと懸命に趣向をこらしています。

そんななか、震災以前、取材でお世話になったお寿司屋さん「たに口」がこの屋台村でお店を出されていることを知り、御主人と奥様にもお目にかかることができました。
・・・感激です。まずはご無事を心から感謝します。

この屋台村、みなさんのお越しを心よりお待ちしていることが伝わってきます。
狼煙の店長さんいわく、店で地元の人間とわざわざ訪れてくださったお客様の話が弾み、この屋台村を初対面同士で何件も梯子する姿を見るのは本当にうれしい、と。
是非、一度足を運んでみてください!

復興屋台村気仙沼横丁公式サイト
気仙沼ホルモン同好会facebook

 

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