フランス・ギャルと弘田三枝子

先日、ナンシー・シナトラのことを書いたので、おまけにとThese Boots Are Made for Walkin’の動画を捜したら、すんごい沢山の映像があるのに驚きました。
自分は昔からすでに何枚もアルバムを持っているので、今の今まで彼女の動画を捜したことがなかった。
いやぁ、世の中にはちゃんとそういう映像を残してる人がいるんだなぁ。
ありがたいことでございます。

思えば自分の子供の頃なんか、こんなにホイホイ簡単に昔の映像なんか観れる時代がくるなどと想像もした事なかったわ。
音楽はもちろんレコードだし、パーソナルなオーディオも当然なく(ラジカセすらなかった!)、居間とか応接間に家族全員で聴くための、やたらとデカイオーディオセットがあるくらい。

そして家族の誰かが買ってきたレコードを何度も飽きるまで聴く、そんなシンプルなミュージックライフを当時のほとんどの子供たちは送っていたのではないでしょうか。

私がよく聴いたのは、映画のサントラ集。
フランシス・レイとかヘンリー・マンシーニとかニーノ・ロータやバート・バカラック、ジョン・バリーなんかの名曲を何枚かに収めたオムニバスアルバムは特にお気に入り。
タイトルとたった1枚の白黒のスチール写真、そして数行にまとめられたあらすじとその曲から、どんな映画なのだろうと想像するのがすごく好きな子供でした。

今も映画を観るとすぐに音楽に反応してしまう癖は多分、この頃に培われたものかもしれません。

そして、そのサントラ集と同じくらいにヘビロテで聴いたのが、60年代のフレンチポップスの超アイドルだったフランス・ギャルと、あのフランク・シナトラを父に持ち、これまた60年代のアメリカのアイドル歌手だったナンシー・シナトラ。

フランス・ギャルは日本語で歌った「夢みるシャンソン人形」(65年)というナンバー(作曲はあのセルジュ・ゲインズブール)が日本で大ヒット。
フランスはもちろん世界中で、フレンチアイドルとして一世を風靡しました。
「わーたーしーはーゆーめーみーる、シャンソンにんぎぃよ~」という、たどたどしい日本語のフレーズと、低音があきらかに怪しい感じが印象的で大好きな曲です

自分も覚えていないほど小さかった時は、この曲を掛けるとひたすら踊り狂ったらしい。我が家にあった彼女の唯一のアルバムは擦り切れそうなほど聴き倒しました。

涙のシャンソン日記Attends ou Va T’En (1965) France Gall
天使のためいきNous ne sommes pas des anges(1965)France Gall

そういえば、90年代やたらと彼女のこの頃の歌がCMに使われていた時期がありました。それを見て、ああ同じ年代の人が作ってるのかなぁとぼんやり思っていましたっけ。
一度聴いたら忘れない、そんな魅力が彼女の歌にはあります。

同じ時期には、今でも名曲としてみんなが知ってる「あなたのとりこ」で有名なシルビィ・バルタンもフレンチアイドルとして君臨しておりました。(ワンサカ娘!)ジェーン・バーキンといいフランス美人はみんなスキっ歯かもと思っていたのは自分だけじゃないはず。
そういえばミッシェル・ポルナレフもこのころのデビューだったような。

昔はフランスだのイタリアだの、米英以外のアーティストも日本で人気があったんだよね。
ま、子供には「どこの国の人か」なんてまったく関係なかったけど。

さて、フランス・ギャルに話を戻すと、大人になってから彼女のCDを色々買い漁った時に気がついたのですが、実はその後も長い間ちゃんとシンガーとして母国で活躍していたんですね。不覚にもまったく知りませんでしたわ。

自分の聴いていたアルバムが発売された頃は、なにかというと海外のヒット曲を日本語でカバーすることが多く、この夢見るシャンソン人形もたくさんの日本の歌手がカバーしています。

その数あるカバーバージョンで私が一番好きなのが弘田三枝子さん

彼女のヒットナンバーには、作詞なかにし礼さん、作曲川口真さんで「人形の家」という69年の名曲があります。弘田三枝子さんは多分私が一番最初に好きになった日本の女性ボーカリストでしょうね。

彼女がこの年、この曲で日本レコード大賞の歌唱賞を獲ったことがすごくうれしかったことを、うっすらと覚えています。

そんな弘田三枝子さんの歌声を初めて聴いたのは、なんといってもジャングル大帝レオのうた。
そう、1965年から52話にわたり放送された、日本で初めてのカラーアニメ作品と言われている手塚プロダクション制作のアニメ「ジャングル大帝」のエンディングテーマです。
この物語のスケール感の大きさと彼女のパワフルな歌声が本当に似合っていて、子供の心にもズバッと直球158キロ。今聴いても本当に素晴らしい!

そうなるとセットで観たくなるのがコチラ
この曲には歌詞つきバージョンもあります
(作曲はいずれも冨田勲氏)

このナンバーは兄が持っていた「TVマンガ主題曲大全集」みたいなのに収録されていたはず。
兄の持ってたそのアルバムには、ジャングル大帝関連の歌があと2曲ほど入っていた記憶があるのですが、捜すことはできませんでした。残念。
自分の記憶が正しければ、ハイエナの兄弟が歌う「ディックとボウ」というナンバーと、レオのガールフレンド、ライヤのテーマ曲だったような。
あああもう一度聴いてみたいな~特にライヤのテーマ。

それにしても、いつものこととはいえ、フランス・ギャルから気がつけばジャングル大帝になってしまうこの転がりようは果たしていいのでしょうか?

本当はフランス・ギャルとナンシー・シナトラの事を書くつもりだったんだけどなぁ、ま、ナンシーについてはまた今度。

 

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フランス・ギャルと弘田三枝子 への2件のフィードバック

  1. フリーマンつつい のコメント:

    ナンシー・シナトラといえば『007は二度死ぬ』の主題歌ですが、この曲の一部はよくショウ・ブラの武侠片とかで使用されております。『女王陛下の007』のテーマ曲のさわりもよく使われてますよ。当時は香港で「007」はヒット映画でしたからね。

    • ケイコママ のコメント:

      ショウブラには色んな曲が使われていますね
      ナンシーの007もですか(笑)それにしても彼女ヒット曲多い
      今更ながら感心します!

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