映画 モンキーフィスト猿拳(1979年・香港)


監督
サモ・ハン・キンポー
出演
ユン・ピョウ
サモ・ハン・キンポー
レオン・カーヤン
ラウ・カーウィン
マース

武術指導
サモ・ハン・キンポー
ラム・チェンイン

ご存知、ユン・ピョウの初期主演作。
面白いもので、以前はこういったオルードスクール的なカンフー映画が古臭く思えた時期もあるけれど、時間がたってあらためて観ると、面白いなぁと感じる作品がたくさんあります。
これも、そんな1本で最後まで飽きずに楽しかった~。

それにしてもユン・ピョウの身体能力の高さには毎度のことながら恐れ入ります。
制作されたのが成龍の蛇拳、酔拳の後だから違いをだすためでしょうか。
修行シーンも、功夫というよりはもっと京劇の訓練に近いものなのかもしれない、今観るとそんな印象を受けました。
特にバク転の稽古で膝の後ろに先のとがった竹を挟んで膝が曲がらないような癖をつけるなんて、七福星時代よりもっと前の幼いころには実際にやってたんじゃねーの?と想像させてしまうくらい。

ああ、それにしてもユン・ピョウの足技は本当にいいなぁ。
あの自在な足には本当に見惚れてしまいます。

師父であり仇でもあるラウ・カーウィンは多分とっても若いのに、わざと老け作りしたのでしょうが、なんとなく品があってそんな悪い人には見えなかったのが不思議。
だからでしょうか、わざわざ相棒を殺さなければ、ラストバトルに持っていけなかったのかなぁ。

本編ももちろん良かったのですが、特典映像として新たに収録されたその相棒役のレオン・カーヤンの特別インタビューが、めちゃよかった。

今の今まで彼が映画の世界に入ってから初めて功夫を習った人とはまったく知らず、話を聞いて驚きました。

ご本人いわく「撮影で一番大事なのは記憶力。1シーンで10手以上を使う。サモハンの映画では30手だって珍しくない。反射的に動けるように身体に覚え込ませないといけない、カンフーしながらセリフも喋るわけだからね」

幼いころから武術や京劇の世界にいた人がほとんどの当時のあの香港映画業界で、あれだけのアクションシーンを撮り続けるのは、どれほど大変な努力が必要だったのかとしみじみ。

YouTubeで、俺の選んだ功夫スターTOP10とか20とかそんな動画を目にすることが、よくあります。
レオン・カーヤンはそんな中のひとりとして選ばれて決しておかしくないし、実際ランクインしている動画を沢山知っています。

まさか大人になってから功夫のトレーニングを始めた役者とは、そのインタビューを見るまで知らなかった人も多いのでは。

本編ももちろん素晴らしかったのですが、なんだか、色々な意味で彼のそのインタビューに一番感激してしまった私です。

モンキーフィスト猿拳予告

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