神槍手與咖喱雞 (1992年、香港)

トン・ワイ祭り続き。
トン・ワイのことなんか日本であんまり気にする人もいないのではないだろうかと思うと妙に気になってしまう今日この頃。

監督、脚本:
ジョー・チョン(張同祖)
アクション設計:
トン・ワイ(董瑋)、江道海(コン・タオホー)

出演:
ジャッキー・チュン(張學友)
トン・ワイ(董瑋)
ラム・チェンイン(林正英)
オースティン・ワイ(惠天賜)
アルフレッド・チョン(張堅庭)
ロレッタ・リー(李麗珍)
フー・ヨジン(符鈺晶)

1992年ごろというと、結構香港映画も賑わっておりまして・・・私のつたない知識では、アジア系のマフィア様たちがそれこそマネーロンダリングのために香港映画を利用してたとかなんとか。それもアジア通貨危機でオジャンだったらしいですが・・・。

多分、香港のエンターテイメント業界で映画が一番本数作られたのはこの時期なのかもしれません。(違っていたら訂正お願いいたします)

とにかく、そんな景気のいいなか作られた1本です。
監督は、長きにわたりトン・ワイ(董瑋)とコンビを組んできたジョー・チョン(張同祖)。トンさん久々のガッツリ出演の映画となりました。
主演は今も歌神として君臨するジャッキー・チュン(張學友)、そしてそのバディがトン・ワイ。刑事が2人寄ると、タカとユージになるのは宿命(そういえば東映でこの正月に復活するんですよね!)、いや、トミーとマツか。ただ残念な事にこの頃の香港映画ときたら肉弾戦より銃撃戦に重きを置いていたようで、このキャストにしてこのアクションって残念!今となればそう思ってしまいます。

が、そんななかでも一番光っていたのが、オースティン・ワイ(惠天賜)。いやぁ、この寡黙な殺し屋の役は素晴らしかった。今まで見たワイさんの中で一番。このハンサムさんが白や黒のロングコートひらひらさせちゃってね、丈の長い衣裳でアクション好物です、無条件でかっこいい!でもって2人のちゃらコンビの上司がラム・チェンイン(林正英)。ひゃーええですなー。

なかなか思うようなアクションシーンのない中で、このラム先生とオースティン・ワイの対峙するシーンは、すこぶるよろしかった。美しい。互いに「んなあほな」というほどの外連味あふれるガン捌き&身体裁き。ジョン・ウー以降の武侠ガンアクションのいいとこ取りな感じが楽しい。アクション設計は、トン・ワイと江道海(コン・タオホー)。

そういえばこの『男達の挽歌』の動作設計をしたのはトン・ワイ。ブラッキー・コーと務めました。本作のラストファイトもガンファイトながら、2人に1丁の銃、という工夫があって楽しかったです。ジャッキー・チュンを除けば実は「春秋戯劇学校」の同門対決。連続バック宙の練習をしながら、まさか大人になって皆でガンファイトするなんて想像もしなかったでしょうね。

奥ゆかしいトンさんのことなので、バディといえど最後はそれほど目立たずむしろ動作指導に比重は片寄っていたようです。
香港映画界でガンマニアと言えば、今をときめくダンテ・ラム監督がそうだとは有名な話ですが、実はこのトン・ワイも結構なマニアだそうで、どっかの本でそのマニアぶりを読んだ気がするのですが、どの本だったかしかも自分の手持ちの本だったかも思い出せず、実は今に至る・・・。

とにかくあの頃のちゃらい男子はこんな感じ♪という造型にトン・ワイファン(いるのかどうか知りませんが)はハートを撃ち抜かれること間違いなし。メガネがかわいいよ、トン・ワイ。あ、咖喱雞ってのはチキンカレーって意味でそれが好物なトン・ワイのニックネームなのでした。

神槍手與咖喱雞予告

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