ラスト・シャンハイ(2012年・香港中国)

かなり絞って来たユンファ、白いスーツ着たユンファ、白い長袍着たユンファ、そしてその衣装で銃をぶっ放すユンファ、それに何の文句がございましょう。後光が差しておりましたよ。私たちの發仔が帰ってきはりましたえ。

そこにサモハンと呉鎮宇(ン・ジャンユー)や黄暁明(ホァン・シャオミン)がいるんだよ、シャオミンの長袍(彼は鼠色)も超イカス。彼は本当に男前だねぇ。
なにしろ舞台が魔都と呼ばれていた時代の上海ですよ、大好物。
以下は結構えこ贔屓モードです、念のため。

監督の王晶(ウォン・ジン)は「いや、これは30年代のマフィアの色んな人物の総合体みたいなもんだよ」って言ってたけど、いやいや、これって役名こそ違えど一世を風靡したTVドラマ『上海灘』のリメイクみたいなもんですよね?
で、ユンファは80年代にそのドラマでスターになった人で、シャオミンくんは、2007年に同じ役を演じた人。

その2人が、今度は主役を青年期、中年期とそれぞれ演じております。誰もが思い付きそうな、でも、かえって恥ずかしくて言いだせないようなアイディア。最初の企画は誰なんだろう、ウォン・ジンか制作の劉偉強(アンドリュー・ラウ)か、どっちにせよ、よくやった。

衣装やセットや調度品もそこそこ凝ってます。オープンセットはもちろん『孫文の義士団』が建て『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』なんかでも使ってたあそこね。カメラはプロデューサー自らが回しておりました(笑)。動作指導はそのアンドリュー・ラウのご指名が多い李達超(リー・タッチウ)。

当然ストーリー展開はかなりベタです、しかも監督はウォン・ジン。今作はあえてストレートに描かれていて特徴であるバカバカしさは陰をひそめておりますが、彼のパロディ精神はうまい具合に発揮され『カサブランカ』とか『ゴッド・ファーザー』とか当然、『狼 男たちの挽歌・最終章』などのユンファ本人の過去のノワール作品とか、もうありとあらゆる要素がつめこまれています、すべては周潤發のために。ひさびさかっこいい彼が見られて、めっちゃくちゃ嬉しいです。

そしてサプライズとして、倉田保昭さんが日本軍人役で登場。自分、全然知らずに観たのでかなり驚きました。アクションこそありませんでしたが、ユンファと心理戦を繰り広げるシーンがあり、その存在感たるやお見事。声もご本人が普通語で喋ってます。
一方、香港勢は全員吹き替え。サモハンはいつもの人、ジャンユーは自分にとってはドニー・イェンの吹き替えでお馴染みの陳浩。どうやら台詞一声で分るようになってしまったようです・・・・。
このジャンユーがまた悪いやつでね、最近あまり強烈な悪役を観てない気がするけど、いや、この悪人役、よろしいわぁ。痺れました。特に最初の登場のシーンとかたまんない。いやっほう。

とにかく、出演者のファンは絶対に観た方がいい。六本木シネマートのロビーにはうれし懐かしユンファのヒット作のHKポスターも展示されておりましてよ。

ラストシャンハイ予告劇場
↓もっとかっこいいユンファを観たい人はこちら。歌うは張學友よ~
The Last Tycoon《大上海》_主題曲《定風波》MV
と、思ったら2013年の10月25日にカルチュア・パブリッシャーズからDVD発売されるらしい、はやっ

おまけ:この映画について対談したネット番組がございまして、よければご覧ください。
TSUTAYA洋画王子の小部屋 ラスト・シャンハイ編

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ラスト・シャンハイ(2012年・香港中国) への2件のフィードバック

  1. 綾瀬 のコメント:

    いやぁ、良かったですね。全体の雰囲気が、ノワール物の王道まっしぐらで。
    クレジットに王晶の名前を見た時にはイヤな予感がしましたが、ご本人の登場もスベリギャグもなくロマンチックな雰囲気を保っていて意外でした。どうした王晶!ま、プロデューサーがアンドリューラウだったので、その辺りを封じられたのかもしれません(笑)

    男目線なのかもしれませんが、本妻の二人(師匠夫人とダーチー夫人)が健気でしたよね。そのぶんジーチウが割り食ってしまったような。
    それから、ジャンユーが徹底的に悪役だったことには驚きました。終盤には「日本軍に協力する振りをしていたんだよ、ばばーん!」な展開があるかと想像していたもので(笑)

    印象的な音楽は陳光榮の手によるもので、また良い仕事してるなぁと。でもって、相変わらずサントラは無し…残念!

    • ケイコママ のコメント:

      陳光榮、いいお仕事しますね~
      中国香港映画のサントラってほんとうにないですよねぇ。
      あんまり気にしないのか、ネットでファンが違法に抜き出してアップするからかは分りませんが・・・
      ジャン・ユーとってもかっこ良かったですね、昔聞いた話だとフランシス・ンというのは自分が決めた英名ではなくて映画会社が勝手につけたとかで、ご本人は「あんな恥ずかしい名前はいやだ」と心ひそかに想っているとかいないとか。

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