英国ロイヤル・バレエ 『白鳥の湖』

暑いなか、涼しい会場で観るバレエは最高やで!ということで行ってきました。英国ロイヤル・バレエ団の『白鳥の湖』。
全4幕を観るのは久しぶり。古典を通しで観る時の楽しみの一つにセットの豪華さがありますが、舞台美術がやたらよかった。最高。
オデット、オディールをサラ・ラム、ジークフリート王子をカルロス・アコスタ。

チケットを取ってくれたのはMちゃん。さんきゅー!
彼女は出張の度にロンドンで何度もカルロスを観ようとトライしたそうな。けれど、いずれもチケット瞬殺のためにその願いは叶わず、今回そのリベンジをやっと日本で果たしました。いや、よかったね!てか、その御相伴に預かれたのはラッキー。

自分も生カルロスは初めてです。はら~、ふわっと宙に浮かんだかと思うと、とにかく滞空時間が長い。そして正確で(体操なら絶対にマイナスポイントはつかない)何の音もしない着地はまるで黒豹みたいだ。オディールのグラン・フェッテも含め、やっぱり3幕は盛り上がりますな。

でも私は2幕が好きです。とにかくコール・ドがよくできてる。ざっと数えたところ30人近くはいた白鳥達ですが、これまた何の音もしない。ひぃ~、どこをどうしたら、あんなことができるんですか。

1877年にボリショイで初演されたこのバレエが愛され続ける理由はチャイコフスキーのスコアの見事さと物語のシンプルさとドラマ性、そしてなんといってもやはり振り付けの素晴らしさですよね。2幕はそれをぎゆっと凝縮して感じさせてくれるから大好きです。
グラン・アダージョをはじめ4羽の白鳥や2羽の白鳥の振り付けは普遍。
加えて今回コール・ドのみなさまの衣装が短いチュチュでなく、踊るとふんわり揺れる長めだったのもとても素敵。
に、してもサラオデットのバッチュはなんですか!驚くほど小刻みに一部の隙もない見事なバッチュ。これが同じ人間でしょうか。目が点になりましたよ。

黒鳥のグラン・フェッテは以前映像で見たタマラ・ロホ様のが、あまりにターミネーターちっくに正確無比で壮絶だったので(相手は同じカルロス)その残像が邪魔してしまった感もありましたが、サラさん、今回は非常に多くの出番をこなされたようで。お疲れ様でございました。

いや、ほんとうに素晴らしかった。
今回のオケは東京シティ・フィルハーモニー管弦楽団。音も良かったです。
豪華な美術と衣装に、おしげもなく沢山登場するきらびやかな人物。
いつにもまして戦隊物の怪人のようなロットバルトもあわせて心ゆくまで堪能いたしました。

勢いで、8月のヴィシニョーワのチケットも会場で買っちゃったわ!連番じゃないけど結構いいお席がぽっつりと残っておりました。
マシュー・ボーンの『ドリアン・グレイの肖像』も先日UKキャストを観たのに、どうしても大貫勇輔さんのドリアン・グレイが観たくて当日券を頼んでしまったのことよ。
気がつけばこの夏はバレエ三昧になりそうです。

黒豹カルロスと超絶ロホ様の€グラン・フェッテ(廻り終えた後のドヤ顔に注目)

白鳥の湖のコール・ドが実は想像以上に大変だったというお話

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