2012年世界選手権男子シングル

2012年の世界選手権、男子はスゴイ試合になりました。
気がつけば、今年は4回転がSPからバンバン。なかには2種類飛ぶ選手もいたりして「なんだ、やればできるじゃないか!」と思わずつぶやいてしまったのは自分だけじゃないはず(笑)。
テレビ中継で解説の本田武史さんが興奮したように同じようなことを語っていらしたのに、ちょっと笑ってしまいました。さすが、4回転ジャンパー。

さて、このFSで自分の心臓が一番破裂しそうだったのはフランスのブライアン・ジュベール選手。SPで非常によい演技をしていい位置に。地元ニースのこの大会でなんとか笑顔で演技を終えて欲しい、そんなことを思いながら見ていたら、なぜだかこっちがめっちゃ緊張してきちゃった。
いやー、肩がこったわ。もうね、ひとつひとつのジャンプにただの観客の自分がそんなに力を入れてどうするってくらいに。
曲はお馴染みの「マトリックス」ですよ、なんという安心のジュベール印。スピンがすごくよくなってるのに驚きました、なんとかレベル取れてたりする!すんばらしい!努力した甲斐があったね!

本当に久しぶりのノーミス演技にテレビに向かって拍手。本人も驚いたような興奮した顔で思わず氷にキス。よかった、よかったよ!
順位とは関係なくても、その選手比でいい演技が出来て、こうして喜んでいる姿を見るのは本当に嬉しいことです。

この大会ではそんな男子選手を何人も見ることが出来ました。
たとえばイタリアのコンティステイ選手。ここ数年、ジャンプが決まらずに相当苦しんでいたようですが、今シーズンはそのジャンプの成功確率があがったみたいで。
この世選でも、それまでなら転びそうなくらいの場面でぐっとこらえて、素晴らしいプログラムを生かすことが出来ました、やったね。

一方、伸び盛りの選手には大きな経験ができた大会になったのかもしれません。
表彰台も狙える位置にあったはずのブレジナ選手やフェルナンデス選手。
普通にやれば上位争いに食い込む可能性もあるというなか出場した最終グループ、そのプレッシャーたるや想像だにできません。
そこで気持ちが空回りして、思わぬミスを連発し焦る気持ちがまた空回りして・・・。今までそんな選手の姿を何度見て来たことでしょう。
若い彼らには、苦い記憶になったかもしれませんが、とてもいい経験になったことと信じています。来シーズンに期待してますよ!

かと思うと、羽生くんのようにがむしゃらにやった演技が、素晴らしい結果を生むことも。
この日のFSで一番気迫に溢れていたのが彼でしょう。
また、このバズ・ラーマン版「ロミオとジュリエット」の曲が驚くほどお似合いで。17歳という年齢だからこその、選曲のズバッと直球153キロ具合は何度見ても感心します。
過去に何人ものスケーターがこの曲で滑ってきましたが、恐らくしばらくはこの曲といえば羽生結弦!と記憶されるのでは。素晴らしい、本当に素晴らしい演技でした。

それにしても、この人は本当に観客に愛されるスケーターだなぁと感じます。
いつ、どこで、なにを滑っても、いつも観客に愛される。こればかりはご本人の天性の才能でしょうね!すごいことです。まだまだ伸びてゆくだろう17歳、今後が心から楽しみです。初出場で銅メダル、心からおめでとう!

そして銀メダルの高橋大輔選手。おめでとうございました!
あの流れプレッシャーのなかでノーミス演技が出来たことだけでも感心しました。落ち着きすぎじゃないか?と思うほど落ち着いて滑っていて本当に頼もしかった。
彼を初めて見たのは、たしかスターウォーズを滑っていたので多分、今の羽生くんと同じくらいかそれより少し下くらいの年齢だったのでしょうか。様々な経験を経て、本当に素敵な誇らしい選手になりました。現役を続けてくれて心から嬉しいです。もう少し彼の競技演技が見られる、それだけでも感謝です。

パトリック・チャン選手に思わぬミスが出たので、本心では「金メダルくるー?」と期待してしまいましたが、プロトコルを見るとジャンプの質があまり評価されなかったのと(特に4回転)チャン選手の4-3のコンビネーションが貯金になりましたか、それとプログラムコンポーネンツでどうやら差があったようです。うーむ、厳しい。とほほ。
でも、高橋くんに4回転が戻って来たのは本当に嬉しいですね、来シーズンはおそらく2本入れるように頑張るのでしょうか。ライバルがいるから頑張れる、そんなギリギリの勝負が来シーズン展開されることを期待します。応援してますよ~。

とにかく、男子のみなさん今シーズンも本当にお疲れさまでした!

 

カテゴリー: skate パーマリンク